女子・福士貫録の連覇−香川丸亀ハーフマラソン

2007/02/05 09:45

 

女子で香川県勢最高の12位に入った阪根(スターツ)の力走=香川県丸亀市内

女子で香川県勢最高の12位に入った阪根(スターツ)の力走=香川県丸亀市内

2位以下を大きく引き離し、独走する福士(ワコール)=香川県丸亀市内

2位以下を大きく引き離し、独走する福士(ワコール)=香川県丸亀市内

世界歴代10位となる59分48秒の大会新記録でゴールテープを切るモグス(山梨学院大)=香川県立丸亀競技場

世界歴代10位となる59分48秒の大会新記録でゴールテープを切るモグス(山梨学院大)=香川県立丸亀競技場

3位でゴールする四国電力の大森(左)。右は4位の野口=香川県立丸亀競技場

3位でゴールする四国電力の大森(左)。右は4位の野口=香川県立丸亀競技場

 陸上の第61回香川丸亀ハーフマラソン大会(四国新聞社など後援)は4日、香川県丸亀市金倉町の県立丸亀競技場を発着点とする付設コース(丸亀市―坂出市=21・0975キロ)で行われた。女子ハーフマラソンは福士加代子(ワコール)が、昨大会で樹立した日本記録(1時間7分26秒)に及ばなかったものの、1時間8分0秒で2連覇を飾った。2位は2分23秒遅れて弘山晴美(資生堂)が入り、さらに45秒差の3位に、3年ぶり3度目の頂点を狙った橋本康子(セガサミー)が続いた。県勢は阪根理恵子(スターツ=丸亀高出)が1時間12分42秒で12位に入ったのが最高。同時スタートの男子は初出場のメクボ・ジョブ・モグス(山梨学院大)が世界歴代10位となる59分48秒の大会新記録で圧勝した。30キロの世界記録を持つ松宮隆行(コニカミノルタ)は1時間2分11秒で2位、2連覇はならなかった。県勢は四国電力コンビが健闘。2位と15秒差の3位に大森輝和(高知陸協所属)、さらに1秒差の4位に野口憲司が食い込んだ。野口は昨大会に出した自らの県記録(1時間2分49秒)を更新した。
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【女子】
レース勘戻った

 橋本康子(セガサミー=2年ぶりの出場で3位)久しぶりのレース。スピードと、それを持続する力が少しずつ戻ってきた。いいきっかけをつかめたと思う。また、沿道から名前を呼んで応援してくれたのがうれしかった。

弘山は「上出来」
 3月の名古屋国際女子マラソンで世界選手権の代表入りを狙う弘山は「マラソンの練習をしている中では上出来」と1時間10分23秒の2位に笑顔。夫の勉コーチも「1時間10分半で走ってくれればと思っていた」と及第点をつけた。

 昨年のこのレースでは1時間10分59秒の4位。その後の名古屋で悲願のマラソン初優勝を遂げた。今年も流れは同様だが「あと1カ月しっかりやっていきたい」と奄美大島、中国・昆明と続く合宿で万全の調整を期した。

阪根県勢トップ12位
 女子で一般参加の阪根(丸亀高出)が、自己ベストを1分21秒縮める1時間12秒42をマーク。順位も県勢トップの12位と健闘し、「12分台を狙っていたが、自分でも驚いている。積極的にいってよかった」と声を弾ませた。

 ハーフマラソンは6度目の挑戦。着々と記録を伸ばしている最中で、今回も昨年にマークした自己記録を大幅に更新した。

 好記録が出た要因について、阪根は「この半年間、体をしっかりつくり、距離を積めたこと」とにっこり。さらに「ここまできたら、もっと距離を伸ばしてみたい」と、マラソン挑戦の意思ものぞかせた。

ドーピング検査実施
 今回初めて日本陸連がドーピング検査を行った。昨年、女子で福士加代子が15キロの途中経過タイムで46分55秒の世界新をマークしたことから、検査の欠かせない国際的な記録公認に備えたのが理由で、優勝した福士、男子のモグスら計4人を検査を受けた。

格の違い見せつけ独走 福士加代子
 強かった。昨大会、初のハーフマラソン挑戦で日本記録を樹立した福士が、一度も首位を譲らずゴールテープを切った。しかし、記録更新には及ばず、苦しさをあらわにした表情で「あー疲れた」を連発。トラックの女王は、いつもの調子で本音をぶちまけた。

 「すべてのレースで記録は狙っている」(永山監督)というように、日本記録更新を視野に入れていた。序盤は昨年よりも抑え気味にラップを刻み、体力を温存。後半の粘りに託すつもりだった。しかし、「前半5キロでリズムをつかめなかった」と同監督。福士自身も顔をゆがめるシーンが目立ち始め、「正直、10キロではかなりきつかった」と心境を明かした。

 それでも大崩れせずに1時間8分0秒をマーク。福士は「よく途中で投げ出さなかった」と、おどけ半分に収穫を語った。これまで日本選手で1時間7分台をマークしているのは、福士と野口(シスメックス)の2人だけで、永山監督は「後半はよく粘った。ベストから30秒以内の遅れなら、辛抱したと思う」と首を縦に振った。

 2度目の大会を振り返り「コース的にきついイメージはない。ただ、自分の体力がなさすぎる」と福士。あえて課題を掲げたが、表情はいつものように、ひょうひょうとしていた。

【男子】
会心のレース モグス

 ○…白い歯を見せながら、勢いよくゴールテープを切ったモグス。優勝インタビューでは、日本語で「本当に気持ちよく走れた。応援のおかげ。皆さんありがとう」と興奮を隠せない様子でまくし立てた。

 脳裏には1月の箱根駅伝での苦い思い出があった。快走が期待された2区で終盤に失速。山梨学院大のシード落ちにもつながった。雪辱を期したレース。開始100メートルで首位に躍り出ると、ぐんぐんスピードを上げ、5キロ地点では既に後続の影すら見えない独走態勢を築いた。

 大会新記録と、世界10傑入りの栄誉もついてきた会心のレース。しかも、恩師の上田監督(尽誠高出)のふるさとで成し遂げた。上田監督は「あれでも力は抑え気味。大したもんだ」と教え子の完全復活を笑顔で受け入れた。

松宮連覇逃す
 男子で2連覇を狙った松宮は昨大会からタイムを2秒縮める1時間2分11秒で2位。それでも「きょうはマラソンに向けての練習の一環」と、サバサバした表情で振り返った。

 序盤から先頭集団で好位置をキープ。「チャンスがあれば」と首位をうかがっていたが、優勝したモグスの独走に早々とあきらめをつけ、「あくまで自分のペース」を貫いた。これまでマラソン経験は3度。「次は3月のびわ湖毎日か、海外でのレースになる」と気持ちを切り替えた。

気を吐いた四国電力勢 大森、野口
 四国電力の主力が気を吐いた。トラックの一万メートルが専門の大森は、2度目のハーフマラソン挑戦で1時間2分26秒の3位。「設定は1時間2分30秒。予定通り。前に出て勝負もできた」と納得の表情を見せた。

 10日間の中国・昆明合宿から帰国したばかり。12月のドーハ・アジア大会一万メートルでは、外国勢の急激なスピードの変化についていけなかった反省から「ゆっくりしたペースの中でどれだけ走れるか」(大森)をテーマに走ったという。20人程度の2位集団の中、積極的な駆け引きを展開。30キロ世界記録保持者の松宮には先を譲ったが、最後まで食らいついて存在感を示した。

 ゴール前で競り合ったチームメートの野口も1秒差で4位。「落ち着いていた。時間をロスしないように走った」と思い通りのレース展開に表情を緩ませた。昨大会にマークした県記録を22秒更新し、順位も8位からアップ。マラソンへの本格的移行についても「手応えはあった」と自信を深めていた。
 合宿の延長ととらえていた松浦監督は両エースの成績に目を細め、「来週の姫路10マイル、次のハーフマラソン(3月の全日本実業団)までには、もっと状態が上がってくる」と、さらなる成長を期待していた。

油谷「調子いい」
 2週間後に東京マラソンを控える油谷は、1時間2分46秒で男子15位。練習の一環として設定したタイムは1時間3分程度で「20キロの通過タイムが思ったより速すぎると思い、あとは流した。ついていくのが楽だった。調子自体はいい」と満足そうに笑った。

 アテネ五輪5位など常に安定しているが「まだ優勝がないので、東京では勝ちたい」と意気込んだ。

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