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とにかく子どもの頃からほんまに本を読んでこなかった私には、「イーハトーボ」の語源がさっぱり見当もつかず、「ボートハーイ」などとひっくり返してみたりバカなことをやっていたのであるが、聞いてみたら宮沢賢治の「イーハトーボ農学校の春」という、農村や農業のことを書いた作品からきているそうだ。ま、「坊ちゃん」も読んだことのない私だから仕方がない。通の間ではご存じ、やまうちで修業した若き大将が埼玉の山の中でやっている人気穴場店(「人気」と「穴場」が矛盾しているが、こう表現するしかないという讃岐うどんブームの生み出した新語である。ま、私が苦し紛れに使った用語であるが)である。初めて行った時は、東京の会社の手下のI野と2人で埼玉の男衾(おぶすま)という駅員さんが一人しかいないような駅に降りて30分以上も歩いて山の中のここにたどり着いたという、別P君状態(マニアにはわかる)の訪問であった。イーハトーボは、当たり前であるが麺とダシの方向性が“やまうち”であり、かつ釜玉も人気である。大将豪腕だから、当然麺はやまうちよりごつい。
店内にはいろいろ但し書きが多い。大将は従業員に厳しい。最初はその厳しさにちょっと引いたのだが、2度目に取材で行って大将と話をしたら実に熱くておもしろい人で、真剣さと実直さがゆえの各種表現であることがわかった。きっとこれから“心地よい丸み”がでてきて、さらにええ感じになってくると思う。私の中では、讃岐うどんとしては(定義もないが)首都圏ではトップクラス。埼玉では一番。ま、埼玉ではここしか知らんのやけど(笑)。(文:田尾和俊) |
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