讃岐うどん遍路

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香川の「平成」 変わりゆくふるさと/第4部 地域経済の活性化(1)うどん県(上)店巡り一大ブームに

2018/10/22
県外客らでにぎわううどん店。平成に入って「うどん店巡り」は一大ブームとなった県外客らでにぎわううどん店。平成に入って「うどん店巡り」は一大ブームとなった

 秋晴れとなった13日、坂出市内の有名うどん店では、朝から週末おなじみの光景が広がった。駐車場は「名古屋」「大阪」「神戸」「福岡」といった県外ナンバーで大混雑。店の前には長蛇の列ができた。

 「麺のコシ、だし、価格の安さ。やっぱり讃岐うどんは特別ですね」と絶賛するのは、静岡県から同僚と訪れたという50代の公務員男性。数年前から定期的に香川を訪れ、うどん店巡りを楽しんでおり、「この後も4、5店巡るつもりです」と笑顔をみせた。

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 安さとうまさを兼ね備えた「讃岐うどん」。香川名物なのはいうまでもないが、平成に入り、新たなムーブメントが起きた。近所の人が客層の中心だった製麺所などを訪れる県内の若者が増え始め、タウン誌による知る人ぞ知るうどん店の紹介が話題に。2000年代に入ると、複数の店を食べ歩く「うどん店巡り」は一大ブームとなった。

 県外客増加の起爆剤となったのが、09年に始まった高速道路の上限千円制度だ。瀬戸大橋の通行料金の大幅値下げに伴い、1杯数百円のうどんを食べるため、関東など遠方からマイカーで香川を訪れる人たちが一気に増えた。

 「グルメとしてというより、レジャーとしての讃岐うどん店巡りが県外客を引きつけたのだろう」とは、タウン誌の元編集長でブームの立役者として知られる四国学院大の田尾和俊教授。わかりにくい場所にある民家風の店、トッピングのネギを自分で切る店…。「うまさだけではない。店巡りがアトラクション的な要素となり、観光素材としてヒットした。いわば香川は讃岐うどんのテーマパークだ」と分析する。

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 爆発的なブームこそ落ち着いたものの、「香川といえばうどん」というイメージは広く浸透。県観光協会による17年度のアンケートでは、県外観光客の8割が「讃岐うどん」を食べ、立ち寄ったうどん店の数は平均約1・77店だった。ただ、うどん店以外の観光地に、さらに経済効果を波及させることが今後の課題だ。

 インバウンド(訪日外国人客)の増加に伴い、「Sanuki udon」を楽しむ外国人旅行客の姿も目立つ。「直行便が増えたこともあって外国人の来店は珍しくなくなった」とは、高松市内のセルフ店。メニューを多言語化する店も増え始めた。

 一方で観光の目玉としての讃岐うどんのPR策には、一層の工夫が求められそうだ。田尾教授は「人気テーマパークがアトラクションを入れ替えているように、新たな楽しみ方を創出しなければ、じり貧になる。センスあるプロモーションが必要」と提言する。

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 うどん店巡りブーム、商店街再生、老舗観光地の復活、急増する外国人観光客…。この30年、県内では地域の観光や経済振興につながるさまざまな動きがあった。香川の「平成」第4部では、地域経済の活性化にスポットを当てる。

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