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うどん県クロニクル(年代記)第1章・それだけじゃない香川県/ただし書きの真実 炎上も覚悟で大胆提案 

2017/02/11

当時の資料を前に制作を振り返る担当者=高松市錦町、アクシス 当時の資料を前に制作を振り返る担当者=高松市錦町、アクシス

  大胆な改名宣言で大向こうをどよめかせ、そのすぐ後に小声で「それだけじゃない」とただし書きをつけるのはいかにも讃岐の知恵だという。

 しかし自虐ネタとも言われたちょっと危ないうどん県宣言を輝かせたのはあのただし書きだ。

 あれはいったいだれがどんな思いで書き込んだのかが気になってきた。

 2010年春、香川県の物産を首都圏で宣伝するイメージCMの制作コンペが開かれた。勝ち残ったのは高松市内の広告制作会社アクシスだ。

 JR高松駅のコンコースを一望する同社にクリエイティブ・ディレクター渡邊一史さんを訪ねたら、「あのフレーズは最初から入ってました。というか、実はそっちが先だったんです」と当時の資料を見せてくれた。

 そのメインコピーは「うどんだけじゃない」で、「うどん県」の記述はゼロ。うどんばかりが注目される状況を改善したいという思いがストレートに言葉になった。

 しかしオリーブもあります、讃岐牛もあります、アートも栗林公園も瀬戸内海もと作ったプランは総花的で、結局は印象が薄まってしまった。

 地元出身タレントを20人も起用する大型プランだったが、どうにもインパクトがない。ストーリーが浮かんでこない。

 何度もの会議を経て、秘策を練った結果、生まれたのが、「うどん県宣言」だったという。

 しかし自虐ネタとも受け取られかねない「うどん県」を真っ正面から宣言する設定は、誤解や反発を招く恐れもある。

 「絶対ウケると思いましたが、やっぱり役所のPRですから、もしかすると炎上?」とダメもとで書き上げた。ところが企画会議は満場一致でゴーサイン。これには提案側もびっくりした。

 「今でも誇りに思える仕事です。うどん県PRを担当と言えば全国で通用する」と営業部プロデューサー宮崎元さん。

 プロジェクトを担当した当時の広報担当、小坂吉邦さん(現県文化振興課副課長)は「最初は食とアートと瀬戸内海をテーマに依頼した。改名はびっくりしたが、知事も賛成してスムーズに運んだ」と当時を振り返る。

 「自虐ネタという意識はあまりなかった」という感想は、「それだけじゃない香川県」に自負があったからだろう。

 では、どれほど「それだけじゃない」のかはこれから検証していくが、強烈なコピーで引き付けて、ただし書きで本音に導くたくみな手練は、讃岐の方言でいう「へらこい」に通じるものがある。これこそ讃岐の真骨頂か。(明石安哲)

メモ
 【自虐ネタ】お笑い芸人がネタとして自分の欠点や汚点となる過去の出来事をあえて取り上げる芸風の通称。せんだみつお、坂田利夫らが元祖。現代では企業CMにも多用されるが、イメージコントロールが難しく、レッテル貼りになることも珍しくない。言葉として定着したのは2005年に人気を集めたギター侍・波田陽区あたりからと言われる。


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