
4年ぶり優勝のゴールテープを切る福士加代子(ワコール)=香川県立丸亀競技場

香川県勢最高の11位に入った松本稜(四国電力)=県立丸亀競技場

激しく競り合う優勝したサムエル・ドゥング(右・愛知製鋼)と2位の宇賀地強(コニカミノルタ)=香川県丸亀市内
第65回香川丸亀国際ハーフマラソン大会(四国新聞社など後援)は6日、香川県丸亀市金倉町の県立丸亀競技場発着(丸亀市―坂出市往復)の21・0975キロで争い、女子は福士加代子(ワコール)が第60回大会でマークしたアジア記録(1時間7分26秒)には届かなかったが、1時間9分0秒で4年ぶり3度目の頂点に立った。1分36秒遅れの2位にカロリナ・ヤジンスカ(ポーランド)、3位には小原怜(天満屋)が入った。男子は昨年の世界ハーフマラソン代表の宇賀地強(コニカミノルタ)が日本歴代3位となる1時間0分58秒の2位と健闘した。サムエル・ドゥング(愛知製鋼)が1時間0分55秒で初優勝し、59分48秒の大会記録を持つメクボ・モグス(アイデム)は残り1キロで2人にかわされて3位だった。北京五輪男子マラソン代表の尾方剛(中国電力)は33位。四国電力勢は男子の松本稜が初のハーフマラソンで県記録にあと1秒と迫る1時間2分50秒の11位、女子の小倉久美が1時間12分21秒で9位に食い込んだ。
▽ハーフマラソン男子 (1)サムエル・ドゥング(愛知製鋼)1時間0分55秒(2)宇賀地強(コニカミノルタ)1時間0分58秒(3)メクボ・モグス(アイデム)1時間1分29秒(4)ラシド・キスリ(モロッコ)1時間1分52秒(5)撹上宏光(駒大)1時間2分34秒(6)新田良太郎(コニカミノルタ)1時間2分35秒(7)門田浩樹(カネボウ)1時間2分35秒(8)糟谷悟(トヨタ紡織)1時間2分40秒
▽同女子 (1)福士加代子(ワコール)1時間9分0秒(2)カロリナ・ヤジンスカ(ポーランド)1時間10分36秒(3)小原怜(天満屋)1時間10分50秒(4)吉川美香(パナソニック)1時間11分13秒(5)小田切亜希(名城大)1時間11分49秒(6)藤永佳子(資生堂)1時間12分3秒(7)清家愛(シスメックス)1時間12分4秒(8)堀江美里(ノーリツ)1時間12分16秒
女子評
アジア記録を持つ福士が地力の差を見せつけた。
福士は大きなストライドを生かし、序盤から飛び出した。5キロを15分56秒で入ると、10キロは32分9秒。2006年大会でマークしたアジア記録のペースには及ばなかったが、折り返しまでに2位以下を約1分引き離す快走。後半ペースダウンしたものの、トップの座は安泰だった。
1分36秒遅れの2位にヤジンスカ、3位にはハーフマラソン初挑戦の小原が入った。四国電力の小倉は自己ベストを更新しながらも9位、入賞に一歩届かなかった。
笑顔の独り舞台も 「自分越え」ならず
トラックの女王と言われる福士の独り舞台だった。5000メートルの日本記録保持者は序盤から独走し、いつものように満面の笑顔でゴール。場内のファンの声援に「幸せいっぱい胸いっぱい。香川とは相性がいい」とリップサービスを続けた。
ライバルはいない。ただ、本人にとっては不満が募るレースだった。優勝だけでなく、2006年に自身が同大会で出したアジア記録更新の「自分越え」も見据えていたが「3キロからパッとしないまま。タイム的にはいけていない」と苦笑する。
9分30秒の3キロ通過までは良かったが5キロ以降はアジア記録ペースから徐々に落ちた。永山監督は「頭では行こうと思っていても心と体が一つになっていない。自分と戦って今日は負けた」と淡々と振り返った。
4年ぶりのハーフマラソンに気負いもあったのか「テーマは後半に意識していたが」と課題は残ったまま。今後は、春先のトラックシーズンに向けて8日から1カ月の海外合宿で基礎体力をつけていく。28歳の自分越えは次回に持ち越された。
男子評 ドゥング初V 宇賀地2位 男子
20キロ付近でドゥングと宇賀地がそれまで首位を快走していたモグスをとらえ逆転。トラック勝負はスプリント力で勝るドゥングが宇賀地を振り切った。
4キロすぎに抜け出したモグスが終盤まで1時間を切るペースでレースを引っ張った。一方、ドゥングは15キロ地点でモグスに30秒以上の差をつけられたが、自分のペースに徹したのが功を奏した。宇賀地の粘りも見事。ドゥングと並走してリズムをつくり、日本歴代3位となる1時間0分58秒でゴールした。
大逆転劇演じ歓喜のゴール
○…大逆転劇が待っていた。19キロすぎ。みるみる先頭のモグスの背中が大きくなった。男子で初優勝を飾ったドゥングは「調子はいま一つだったが、18キロあたりからペースアップできた」。一気に抜き去ると、そのまま歓喜のゴールへ駆け込んだ。
「優勝できてうれしいです」。ケニア出身の22歳はまだ得意とは言えない日本語でファンに一礼した。序盤からモグスがハイペースで押し続け、「最初はとても難しかったね」とドゥング。しかし、実業団の愛知製鋼で走りを磨く新鋭は、自分を見失わずにペースを堅持。したたかなレース運びで栄冠を手にした。
腰が痛くなった
メクボ・モグス(2年ぶり優勝と大会記録更新はならず)調子は悪くなかったが17キロすぎに腰が痛くなった。(残り1キロでかわされて)ついていけなかった。
日本歴代3位の快走 宇賀地 「死ぬ気で走った」
日本歴代3位となる1時間0分58秒の好タイムでゴールすると、右拳を振り下ろす力強いガッツポーズをみせた。「競技場に入って、コーチの『ギリギリだそ』っていう声が聞こえて死ぬ気で走った」。目標とした自己ベストの1時間0分台に間一髪ですべり込んだ。
最初の1キロは予想以上のハイペース。それでも「体の感覚もきつくなかったのでリズムを合わせるだけ」と優勝したドゥングに食らい付き、うまくレースを組み立てた。
ただ、宇賀地は「ラストの踏ん張りやスパートの切れがね」と課題も口にする。「そこを詰めていれば最後までドゥングと勝負できた」とも。わずか3秒の差だが、勝つ難しさを痛感したようだった。
駒大時代に箱根駅伝総合優勝を経験した23歳は、日本長距離界の大きな期待を背負う。まずは今夏に韓国で行われる世界選手権へ目を向け、「必ず出る気持ちで」と1万メートル代表入りに闘志をみなぎらせた。
四電の若手男女健闘 松本11位、小倉9位
四国電力勢は男子の松本と女子の小倉の若手2人が健闘した。
松本は15キロすぎまで5位。宇賀地に続く日本人2位の座が狙える好位置だったが、「足がじわじわと重くなった」と残り3キロ付近で後続グループに吸収され、最終的に11位でゴールラインをまたいだ。
それでも松浦監督は「宇賀地君らによくついていった」と積極的なレース運びを評価。20歳と伸び盛りの松本は「スピード練習中心で、どこまで行けるかだったが…」と終盤の失速を悔やんだが、初ハーフマラソンで県記録から1秒遅れの好タイムに「まあまあ。次につながるレースはできた」と手応えも感じていた。
一方、25歳でエース格の小倉は自己ベストでの9位にも「満足いく走りはできなかった」。目標の1時間10分には2分余り届かず、「2日前から体調が良くなく、気持ちの面でブレーキが掛かった」と反省の言葉ばかりが口をついた。
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