2012/03/02 09:43
1日に明らかにされたカマタマーレ讃岐の収支では、懸案の資金力不足から依然と脱却できないクラブの弱みが浮き彫りとなった。
【→参照記事】
昨季収入は約1億3千万円にとどまり、Jリーグの入会基準でもある目標の1億5千万円を突破できなかった。住谷社長は「広告収入の中にJ2昇格を前提としたものがあった」と説明、その影響で約5千万円の赤字を抱え、約3500万円の債務超過にも陥った。
今季の収入目標はクラブを将来的に存続させていく上でも絶対に達成しなければならないものだ。ただ、倍増を計画する広告料、入場料とも現時点の裏付けはなく、見通しは厳しいと言わざるを得ない。
効果が期待される胸マークに「うどん県」を掲げる案も胸部分のスポンサーが見つからない中での苦肉の策。一番の収入源となる胸部分を2季連続でゼロにはできず、同社長は「たくさんの方に支えてもらいたい」と声を絞り出した。
会見では身の丈に合う予算へ縮小する趣旨の質問もあったが、住谷社長は「Jリーグ準加盟として昇格を目指す姿勢を貫く必要がある」と反論。Jリーグが導入するクラブライセンス取得への体制づくりも厳しい予算の中で精力的に進める方針を重ねて示した。
課題は後を絶たないが、悲観ばかりでもない。目標を達成できなかった昨季収入も四国リーグ時代の2010年と比べればほぼ倍増で、スポンサーは28社から52社に増えた。観客数もわずかながら目標の平均3千人を突破した。
着実に成長を続けている今こそ、Jクラブが香川で必要かどうかを再考すべきだ。必要なら「チケットを買って試合を見に行く」ことも一つ。一人一人の地道な支援がクラブを上昇気流へ導くはずだ。
(運動部・宮川豪介)