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師走のさんぽみち

2018/12/18 10:09:18
師走のさんぽみち
石段の先に見える「ばんどうの鐘」
 四国新聞本紙の「おでかけスポット」特集で徳島県鳴門市にあるドイツ村のことを知り、先日さっそく出かけてみた。

 道の駅「第九の里」に車を置いて、まずは「ばんどうの鐘」を目指す。結構な石段の数で、こんぴら参りを思い出した。山の頂上近くに白い石造りの塔が見えた時にはホッとすると共に感動的だった。1983年に日独友好と恒久平和を願って造られたという。

 第1次世界大戦後、敗れたドイツ兵が俘虜(捕虜)となり、日本各地の収容所に送られた。その中のひとつが徳島・坂東俘虜収容所。ここではおよそ千人が1917年から20年までの3年間暮らしていた。松江豊寿所長の人道的な配慮や地元の人たちのおもてなしの心などによって、国を越えた交流が生まれ、アジア初の「第九」の演奏会が実現したという(今年がちょうど100周年という節目にあたる)。

 当時の出来事や交流の様子を後世に伝えるために建てられたのが「ドイツ館」であり、貴重な資料展示やシアターで音楽演奏会を体験することができる。入場料は大人400円だが、隣接する「賀川豊彦記念館」とのセットで500円になるということで、迷わずセットチケットを購入(JAF会員証の提示で2割引きになった)。

 すぐには記念館に入らず、四国八十八カ所一番札所の霊山寺、坂東俘虜収容所跡地、大麻比古神社などを散策した。ドイツ兵捕虜が造ったという石積みのアーチ橋を見た時、真心こもった贈り物のような気がした。

 歩数計が1万歩を超えたところで「賀川豊彦記念館」へ。すぐに賀川氏の紹介ビデオを見せてもらう。歩き疲れたところでのありがたい15分間だった。若い頃の写真のイケメンぶりに心を奪われた。結核で死を宣告されて、残りの人生を貧しい人々の救済に命を掛けるという、マザーテレサやガンジーに通じるような高い志に再び心を奪われた。著書の「死線を越えて」がベストセラーになり、後に映画化もされたという。主演が国広富之、夫人役に黒木瞳という豪華キャスト。30年前の映画だが、DVDがあるということだったので買って帰った。

 初めての場所は思いがけない出会いや発見がある。いくつになってもドキドキしたい。平成最後の年の瀬は、愛と平和を思いながらのさんぽみちとなった。
(和泉 加奈江)
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