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ハート形のブドウ

2018/09/11 10:08:22
 お盆を過ぎても暑さ厳しい毎日が続いているが、店に並んでいる果物を見ると、ブドウ、イチジク、梨、りんごなど、しっかりと秋の季節を感じさせてくれる。中でもブドウは、年々品種改良され、年を追うごとに色、形、種類などに変化が見られる。

 毎朝、食卓に果物が欠かせないわが家にとって、季節ごとに店頭に並べられる新鮮な果物に出合う瞬間は、とてもわくわくするものである。先日、百貨店に立ち寄り、果物の売り場にいくと、三豊産のブラックビート、山梨県産のシャインマスカット、ピオーネ、巨峰、瀬戸ジャイアンツなど、品種や生産地のことなるブドウが数多く並んでいた。味を楽しもうといくつかの種類を買って帰った。

 驚いたことに巨峰を洗っている時、双子のようにくっつき、高さ4a、直径3〜4aの大粒の巨峰がハート型の可愛い形になっていた。初めて珍しいブドウに出合って、インターネットで調べてみたら、「夏の暑さでくっついたのだろう」という回答が寄せられていた。

 納得がいかず、関係機関に問い合わせすると次々と紹介してくれ、電話をかけること5回目で香川県農業試験場府中果樹研究所にたどり着き、教えてもらうことができた。

 同研究所の福田哲生さん(46)によると、試験場ではよく見る現象だそうで、出荷前の検品の段階でのけているのだろうとのこと。ハート型なので四葉のクローバーが見つかった時のようにラッキーと思うこともあるようだ。この現象は花の段階で子房が果実になるので、花自体が奇形であった可能性が考えられることと、子房が正常でなく、出やすい品種でであったかもしれないという。

 しかし、その年の果実は、前年度の貯蔵養分で花の形が決まるので、花芽が充実していれば、双子にならない。去年の夏の暑さのために、花芽が充実しなかった可能性もあるとのことだった。

 取材させてもらい、同果樹研究所は、日夜、栽培技術の向上に向けて研究を重ねており、工夫と技術で生産者に貢献し消費者のニーズにこたえようと努力している姿に頭が下がる思いがした。研究成果は農業生産者やJAの部会にも伝え、品種の改良に役立てているとのことだ。

 私は、双子のブドウに遭遇したことで、私たちが食べている果物一つとっても多くの人の技術と努力が積み重ねられていることを改めて目の当たりにした。食卓の果物を目にするたびに生産者や関係者の苦労が目に浮かび、心から感謝の気持ちで胸が熱くなる。(永峰 絹江)
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