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「医はパソコン」に思う

2017/04/26 17:13:30
 「あ〜ぁ、『医はパソコンなり』かぁ」。半分は残念そうに、半分はしみじみと言う知人に「えっ、パソコン? 『医は仁術なり』やろう!」と驚く私。

 彼女はある病院でレントゲン撮影と血液検査をしてもらった後、診察室に呼ばれた。医師はパソコンの画面を目で追いながら、何とかの数値や何とかの数値を立て続けに読みあげてくれたが、彼女には「何のことかさっぱり分からなかった」とか。そしてパソコンの方を向いたま「何々の薬を出します…」で終了。

 聞きたいこともいろいろあったのだが、医師は「私の顔も見ないでパソコンばかり見ていた」ので、なぜか話し出すきっかけがなかったと嘆いていた。

 そういえば思い出したことがある。一昨年、ある手術を受けて入院中だった私の車椅子を押し、別の科の医師の所へ連れて行ってくれた女性介助士(偶然知人だった)の言葉だ。「あ〜、びっくりしたぁ」と彼女。「何がびっくりしたん?」と私。「いやぁ、あの先生な、香川さんの顔を見ながら話しよったやろ!」と言う。「顔を? 当たり前やろ!」と再び私。

 彼女によると、今まで何度も患者をその医師のところに連れて行ったが、医師はほとんどパソコンの画面を見ながら話をしていたらしい。「患者の顔(目)を見ながら話すことはほとんどなかったんよ」と言っていたのを思い出した。そんな医師ばかりではないと思うが…。

 「医は仁術なり」は、遠く江戸時代のころから日本の医療倫理の中心的標語だった。だが1980年代前半ごろから医療の高度化に伴い、医療機器の購入費用などが病院経営に与える影響が大きくなって「医は算術」と言う言葉も生まれたという話もある。

 ともあれ、医師は患者の心と体に寄り添い、患者も医師を信頼することで治療効果もよりアップするのではないだろうか。「医はパソコン」、そんな言葉は二度と聞きたくない。

(香川 佳子)
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