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「とっしょりはことばぞでぇ」

2015/12/24 19:56:52
 「とっしょりはことばぞでぇ(年寄りは何より言葉がうれしいものですよ!)」。100歳と2日で亡くなった祖母の言葉だ。年寄りにとって何よりうれしいのは、「言葉を掛けてくれたり、話を聞いてくれたり、話し相手になってくれたりすることですよ」とでも言うのだろう。

 私は父が戦死をし、生活のために働く母と2人の母子家庭っ子だった。幼いころの昼間は、ほとんど近くにある母方の祖母の家でお世話になっていた。

 祖母は、地域の説教所(今の寺で、祖父は読経や布教に回る僧)の妻で、無学だがよく気が付き、私をとても可愛がってくれた。病気で伏せる知人宅へ行き、話し込んで帰る姿もよく見たものだ。

 祖母と二人でめご(竹かご)を背負い、山へこくば(松の落ち葉)を集めに行ったり、庭のイチジクの木にするするっと登って「ほいっ、受けなよ!」とおいしそうな実を投げてくれたり。多くの昔話や怖い話に目を輝かせたり…。思い出は山ほどある。

 今ごろになって、「とっしょりはことばぞでぇ…」の意味の深さがだんだんと分かるようになってきた。言葉は、人の心を温かくしたり希望を与えたり、時にはぐさっと突き差す恐ろしい力も持っている。

 ともあれ、彼女が言った「とっしょり」を「子ども」とか「人」に置き換えることができる。それは「大切な生き方の指針になるのでは…」と、思うようになった昨今だ。(香川 佳子)
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