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折り鶴に想う

2012/11/15 16:30:40
折り鶴に想う
 戦没者の霊を祀(まつ)る讃岐宮香川県護国神社秋季例大祭に参拝したが、神社からいただいた参詣記念品の中に、1羽の折り鶴が入れられていた。

 父がフィリピンのルソン島で戦死した遺児、青森市のNさんが奉納したものの一つとか。約4センチ正方に折った兜(かぶと)の中に、2センチほどの黄金色の折り鶴が納められていた。

 Nさん夫妻は毎年、青森県護国神社例大祭に参列。他県の神社にも、折り鶴奉納をしながら参拝しているが、奥さんが「ささやかながら御霊をお慰めしたい」と、友人や知人らの協力で鶴を折り、全国の多くの護国神社に奉納。残る神社は後少しだが、今では夏休みのラジオ体操に来た幼稚園児、小学生らも折ってくれるようになっているとか。

 鶴を折る時には「家族の幸せを願い、日本を護(まも)るために亡くなった多くの方々がいたこと、広島や長崎に原爆が落とされたこと、沖縄で地上戦があったこと、その方たちの犠牲の上に今の平和と繁栄があること」などを話し合いながら折っているそうだ。

 Nさん夫妻は「…感謝と敬意を込めて折った鶴を受け取ってもらえたら幸い」と願っている。今回、同神社に奉納された鶴は一連1500羽、個鶴150羽、大鶴6羽の3種類。その中から、全参詣者におすそ分けされた小さな折り鶴。小さいけれど大きな折り鶴だ。

 Nさんの奥さんは受話器の向こうから「美談とのみは言えない…。英霊のほかにも戦災孤児、空襲被災者など目に見えない多くの戦争犠牲者がいるのだから…」と、複雑な心境を吐露されていた。

 「もし戦争がなかったら…」。私自身も含め、人生の筋書きがかなり変わった人もいるだろう。小さな折り鶴の持つ意味は限りなく大きい。                                      (香川 佳子)
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