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美しいコウヤボウキ

2012/11/07 11:10:50
美しいコウヤボウキ
 「山野草愛好家ならたいていの人が『きれいな花だ』と言う」と、言われるコウヤボウキ(高野箒)が、まんのう町七箇の県営満濃池森林公園散策道で数花咲いている。

 白いリボンで作ったような花びらは幅が約2ミリ、長さは1・5センチほどで細長く、よじれたり丸まったり、反り返ったり。これが筒状になった小さな花が数個から十数個集まって一つの花のように見える集合花だ。

 小さな花には淡いピンクのメシベが1本ずつ伸びてかわいい。キク科・コウヤボウキ属の落葉小低木で、関東から九州までの山林の日当たりの良い所や乾燥した林内に自生。花は、晩秋のころ(10〜11月)に、1年目の茎だけに1輪ずつ咲く。冬には葉が落ち、長さが60〜100センチで細いが芯のある枝だけが残る。

 利益を得る行為を戒める商品作物(竹も含む)の栽培を禁止していた当時の高野山では、竹の代わりにこの枝を束ねて箒(ほうき)を作った。このことが、コウヤボウキの名前の由来と言われている。

 この箒を玉で飾ったものを「玉箒(たまぼうき)」と呼び、旧正月の最初の子(ね)の月に蚕の床を清めるために使用、正倉院の宝物の中にも納められているとか。その複製が奈良国立博物館の常設展示室に設置されている。

 また、万葉集にも「初春(はつはる)の 初子(はつね)の今日の玉箒(たまばはき)手にとるからにゆらぐ玉の緒」(新春のめでたい今日、蚕室を掃くために玉箒を手に取るだけで揺れ鳴る玉の緒の音が聞け、快くなる)と詠まれ(大伴家持)、古くから親しまれていたことが分かる。

 種々のエピソードをもつコウヤボウキが今も美しく咲き、ここ満濃池森林公園の散策道で見る人たちの目を楽しませてくれるのはうれしい。                                       (香川 佳子)
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