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祖母とセンブリ

2011/11/02 10:24:32
祖母とセンブリ
 私には、100歳で亡くなった祖母との懐かしい思い出が山ほどある。

 乾燥させたセンブリを1、2本コップに入れ、熱湯を注いでは飲んでいた祖母。そんな時「飲んでみるか?」と、わざと私に差し出す。必ず首を何度も大きく左右に振る私を知っていながら、そう言って笑うのだ。

 一度飲まされ、その苦さを十二分に知っている幼い私にいたずらっぽくささやく。「花は、きれいんでぇ」と。でも、当時の私は必ず拒否反応を示し、たとえ花でも見たくもなかった。センブリは「胃の薬」だと言うことに加え、「苦〜い」と言う先入観だけしか頭になかったから。

 ところが先日、満濃池森林公園の散策道を歩いていて思いもしなかったセンブリの花に遭遇。白い清そな花を前に、思わず昔にタイムスリップ。あの祖母を思い出した。

 優しくて茶目っけもあり、元気だった祖母。年はとっていても、イチジクが熟れるとひょいひょいと木に登り、甘い大きな実をグイッとちぎり、見上げる私に「ホイ!」と、落としてくれた。

 若い時に主人(祖父)を亡くし、女手で家を守り、孫の私には優しい顔しか見せなかった。90歳をいくつか超えた時だったかな?「私は長生きした。ほんだけど(けれども)まだ死にとうはないんでぇ」と笑っていたっけ。

 100歳の時、仲南町(合併前)では一番の長寿者だった。お祝いに訪れた町長さんを、着物に帯付け、正座をして、座敷で迎えた。健康長寿で、最期は1日半眠り続けたまま大往生を遂げた祖母。

 清そな白いセンブリの花が懐かしい祖母との昔を思い出させてくれた。                                        (香川 佳子)
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