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舌出しエンマさま

2011/09/26 10:51:47
舌出しエンマさま
 高松市鬼無町、衣掛池のほとりにある圓蔵院に一体の閻魔(えんま)大王像が祭られている。松の寄木で彫り、泥絵具で塗られ、赤い舌を出した珍しい閻魔だ。

 衣掛池は、鬼無町、国分寺町、檀紙町の境にある。「衣掛池の碑」によると西嶋八兵衛が1627〜1637年に90あまりの池を築造竣工したうちのひとつとされている。池の名前は、西行法師がこの地を訪れた際、道端の松の枝に衣を掛けて休んだところからこの名がついたらしい。

 閻魔大王像は木喰上人(出家し修行をする僧を「もくじきしょうにん」と名付けた)が1788年ごろ造ったと伝えられており、「年とりてけふ立そむる けさ衣いつきて見るや 老いのともしび」と、この時、木喰上人が詠んだ句が圓蔵院に記されている。

 国鉄(現JR)の線路工事や国道(現県道)の開通工事に伴い、寺が移転した際には閻魔大王像も移動を余儀なくされた。さらにその後、池の一部が埋め立てられ、高松市西部運動センターや県立総合水泳プールが建築され、面積は減少し景色は変わった。

 周りの変遷を見てきた閻魔大王像を住民たちは「舌出しエンマさん」と呼んで大事にし、彼岸のまつりには集いお参りをする。時期は定かではないが、一度塗り替えの補修をしているらしく、残念ながら国宝級の有形文化財とはならなかった。が、桃太郎伝説ゆかりの鬼無桃太郎神社と同様、舌出しエンマさんは町民にとっては宝。舌をちょっと出し、おどけ顔のエンマさんは圓蔵院で腰を据え、変わりゆく鬼無、変わらない鬼無を見守り続けてくれているようだ。                                                  (横倉 ゆみ)
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