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除くとこまでは除けるんよ

2011/01/12 10:01:45
 台所の流し台を磨いていた。日ごろの怠慢もあって、なかなか取れない汚れがある。「また、今度でいいか。少しずつ除(の)いていくやろ」と手を止めかけた。

 と、Sさんの言葉が頭のどこかを横切った。あれは、大学生時代始まりのこと。私の家(当時七箇村)が、高松市に住むSさんの実家近くにあったご縁で、「もし、まだ下宿が決まっていないのなら、同居中のSさんの姪の勉強を見てもらいたい」と言われ、Sさん方に下宿することになった。親もその方が安心だったらしい。

 とは言っても普通の民家、台所は同じ所を使わせてもらっていた。Sさんは、几帳面なのか、私と共用のためなのか洗い物はその都度、綺麗に処理していた。わが家のように水を溜めて置くことはなかった。「私、除くとこまでは除けるんよ」と、感心する私に笑いながら言ってくれたっけ。そして、結局は、綺麗になっていた。

 折に触れ、それを思い出す、いろいろな場面に遭遇した時に。場面や言葉が少しぐらい変わっていても、ぴったりと当てはまるから面白い。やりたくないことがあった時「やれる所まではやってみよか」と、手をつける。なんや、簡単にやれたじゃない!

 今日はしんどい。散歩はやめとこか、毎日やってるもん…。そんな時「5分でも10分でも行ってみよか」と出発。歩き始めると元気になり、普段通りに完歩した。

 掃除機、めんどくさいなぁ。「ま、廊下だけでもしてみよか」。予想以上に「ついでに、ここも」と、さっぱりしてくる。無精者の私を多分、これからも叱咤(しった)激励してくれるであろうあの言葉「私、除くとこまでは除けるんよ」。感謝してます、Sさん!                                                (香川 佳子)
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