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どれだけ道幅があったら歩けるか

2010/09/08 11:43:02
 「人間は、どれだけの道幅があったら歩けるだろうか?」。中学生の時、ホームルームでの先生の質問に、私たち生徒は首をひねった。「50センチあったら歩ける」「30センチでも大丈夫やろう」の声が出た。

 誰かが「最低、足幅だけあったら歩けるやろ」と言った言葉を受け、すかさず「ほんまや!」と共鳴する生徒もいた。

 先生は「うーん、なるほど…。そうかぁ」。そして、次のような意味のことを続けて話された。

 「もし、山の谷を挟んで、向こう側へ渡る橋がかかっていたとする。普通の橋と、足幅だけの橋と、足の形だけがぴょん、ぴょんと、とびとびに固定され、下は谷という三つの橋があるとしたら、お前らは、どの橋でも渡って、向こうへ行けるか」と言うのだ。

 私たちは再び、首をひねった。「三つ目は、ちょっと無理…」が、大勢の結論だった。

 先生は「まあ、中には全部の橋が渡れる奴(やつ)もおるかもしれんのう、お前らやきん…。それに必要な橋の広さは、体を支える靴の大きさだけやろうが」と、ニヤッとひと呼吸置きながら、さすが先生。「ためになる」ことを考えさせてくれたものだ。つまり、何をするにも「余裕が必要。ゆとりが必要」と教えたかったのだ…。

 もう、あの先生はいない。だが「人は、どれだけあったら歩いて行けるか?」の言葉は、今でも私の生きる「道しるべ」の一つになっている。もっとも、目の前しか見えない、一途(いちず)な私にとっては、たとえ覚えていても突っ走ってしまい、後悔することが多い現状ではあるが…。                                             (香川 佳子)
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