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「宵待草」におもう

2010/07/06 10:12:42
「宵待草」におもう
 「待てど暮らせど 来ぬ人を 宵待草の やるせなさ…」。大正浪漫(ろまん)を代表する画家であり、詩人である竹久夢二(1884〜1934年)の「宵待草」に歌われている、ヨイマチグサ(植物学的にはマツヨイグサが正しいとされている)が今、まんのう町帆山の水田のあぜで、ひっそりと咲いている。

 花径は3センチ前後。夕方になると、黄色い幻想的な4弁花を咲かせ、翌朝にはしぼんでしまうはかない命の一日花だ。

 夢二の詩に、バイオリン奏者の多忠亮(おおのただすけ)が曲を付け、「宵待草」として、「セノオ楽譜」から出版されるや、一躍一世風びする歌になった。その表紙にも、版によっては「宵待草」と「待宵草」の異なる2種類の表記がされているとか。

 夢二自身の自筆記録には「待宵草」と書かれているそうだ。「待宵草」と「宵待草」のニュアンスの違いについては、いろいろな考え方ができることだろう。

 しかし、「恋多き人」と伝えられる夢二の「待てど暮らせど来ぬ人」を「待つ」やるせない想いが、宵を待ってひっそりと咲く、小さな花「待宵草」に託されていることだけは想像に難くない。

 野辺に咲く小さな花にも、心を寄せる繊細な思い。いつまでも持っていたい「心情」だと考えながら、夕暮れに咲くマツヨイグサを眺めていた。かつて、牛窓で見た夢二の、あの絵画と詩を思い浮かべながら…。                                                    (香川 佳子)
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