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散策するカメに出合う

2010/06/11 15:53:31
散策するカメに出合う
 まんのう町七箇の満濃池森林公園の散策道で、6月10日夕、元気に散策(?)するカメに出合った。甲羅が縦30センチ、横20センチほどある、かなり大きなカメだ。

 約20メートル下には満濃池がある。ここまで来るには、道なき道の「けもの道」。雑木や枯れシダ、カサカサと滑りやすい落ち葉の重なりなど、山ほどの障害物がある。

 彼ははるばる、それらを乗り越えてやって来たのだろう。いつもの池から、少し異なる世界を見に来たのか、それとも道を踏み違えたのか。散策道にも、10メートルあまりは歩いた形跡が見られた。

 「あ、カメラを持っていない!」。私はふもとの車までとっさに小走りを始めた。「見よってよ」と、同行の夫に言いながら…。車まで約10分、そこから車で5分の家に帰り、カメラを取って来ようと、単純な頭はそれだけしか考えていなかった。

 少し走って速度が落ちた。「自分の体力も、かかる時間も考えず、カメだってじっとしていないのに」。走りながら、やっと気づいた。自分の無鉄砲さに。「携帯電話で撮ればいい」と納得して後戻りしたのだ。

 私の行動が理解できないまま、あきれ顔の夫とあまり位置を変えていないカメとが黙って待っていてくれた。

 カメは、配水用の丸木の上に体を乗せ、長い前足をグンと突っ張っていた。首は大きな甲羅にほとんど入れてはいるが。かわいい目でじっとこちらを見ていた。足を伸ばしたままの姿勢で。写メールを入れた知人から「自然豊かな町ですね」との返信が来た。

 ほどなく、楽しい体験をくれた、愛すべきカメと、たそがれ始めた古里の山路に別れを告げた。                                                      (香川 佳子)
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