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私の美術館

2010/05/26 15:35:08
 私は、小さな美術館に入って行った。一番、入り口に近い絵には、石畳の道に面した2階から下をのぞく、2歳くらいの女の子が描かれていた。視線の先には優しそうなパン屋のおばさんの笑顔が…。

 そうだ! 石畳は長崎の坂道だ。長崎県の佐世保市で生まれた私は「パァ〜ン」と言っては、2階からパン屋のおばさんに声をかけていたという。

 次の絵は、大きなマントを羽織った男性の腰にぶら下がっているのか、宙に浮いたうれしそうな2本の足だけがにょっきりと出ているものだ。体はマントの中にすっぽりと入っていて見えない。

 懐かしさで、胸がキュンとなった。一人娘の私は、いつも「お父ちゃん」の腰ぎんちゃくみたいな父親っ子だった。うれしかったこと、悲しかったこと、忘れられない思い出を鮮明に描いた数々の絵が、幾枚も、幾枚も、掛けられていた。

 まだ描かれていない白いキャンバスもあった。いつか読んだ本の中に「あなたの美術館」というのがあった。「ここまでの絵には、今までのあなたが描かれている。続きにある空白のキャンバスには、未来のあなたが描かれていく。これは、これからのあなたの生き方に左右されるもの」という内容だったと思う。

 少々、楽しくなった。白いキャンバスにはどんな絵が描かれる? いや、どんな絵が描かれるようにしていく? 「私の美術館」の残りの絵を…。                                        (香川 佳子)
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