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「学習療法」が好評

2010/05/18 17:05:32
「学習療法」が好評
 東かがわ市馬篠の特別養護老人ホーム「絹島荘」(坂口正美園長)では平日、利用者や入所者を対象に「学習療法」が行われ、家族、職員らから「高齢者の認知症予防・改善に効果がある」と好評だ。

 この「学習療法」は、東北大学の川島隆太教授を中心とするグループと公文公教育研究所が共同研究開発したもので、全職員が学習療法スタッフの研修を受けている。

 加齢とともに大脳の前頭前野の働きが衰え、重度になったものが老人性認知症。簡単な計算や声を出して文章を読むときに、前頭前野が活性化することがわかり、この学習を取り入れることになった。

 学習内容は、読み書き、計算、数字のコマを置いていくゲーム「磁石すうじ盤」などで、学習のあと職員とのコミュニケーションの時間も5分間ほど設けている。人によっては「1+1」や「1+2」といった簡単なものもあり、足し算・引き算をするレベルや、難しい漢字の並んだ文章の音読など内容は人によってさまざまだ。

 職員の三浦誠子さんは「顔の表情がニコニコしてきたら、脳の血流が良くなり始めた証拠と言われている。教材を通じてのコミュニケーションは、昔のことを話をしてくれるので、とてもいい交流になる」と話していた。

 学習したある入所者は、音読教材の中にげたの話題が出てくると「げたの歯がすり減ると『入れ歯屋さん』に持って行ったのよ。鼻緒は、好きな着物やビロードの生地に芯を入れて作るの。結び方にもコツがあってね。足袋も縫っていたんですよ」と、どんどん昔の記憶がよみがえり、会話を膨らませていった。

 自分で「やったー」という達成感が得られるため、楽しみにしている入所者が多く、学習が休みの日曜日にも職員に催促することがあるという。

 達成感を持つことで得られる効果はほかにも現れ、「エプロンたたみ」「洗濯物干し」「野菜の皮むき」へと広がり、車いすから立てるようになった入所者もいるという。また性格が明るくなった人もいるそうだ。

 この学習療法は昨年3月からスタート。今年の1周年記念には、利用者の家族を招いて、今まで終了した分厚い学習用紙を見てもらい大変好評だった。そこで月に1度は、施設内で一斉に学習療法をすることになったという。

 坂口園長は「現在80人の入所者のうち25人がトライしている。声を出して音読をすることで、職員や利用者同士の声かけが出来るようになった。寝たきりのお年寄りにも気遣いをみせて、声かけができるなど、順調に効果が現れている」と成果を実感していた。                                                          (山本 洋子)
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