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池田武邦氏が「日本人のこころ」熱弁

2010/04/30 10:56:21
池田武邦氏が「日本人のこころ」熱弁
 池田武邦記念「さぬき文化・自然塾」(五所野尾優塾長)は4月29日、三豊市詫間町のマリンウェーブで「世界に伝える日本人のこころ(真の文化が地球を救う)」をテーマに日本超高層建築界の父・池田武邦氏の講演会を開催、約200人の聴衆が熱心に耳を傾けた。

 池田氏は、1924(大正13)年生まれの建築・都市計画家・工学博士。東京の霞が関ビル、新宿三井ビル、ハウステンボスなど数々の超高層建築、大規模都市開発プロジェクトを手がけ、多くの賞を受賞。現在86歳で、自然環境問題への深い造詣からハウステンボス環境文化研究所長も務め「鎮守の森共生デザイン」を基本理念に活動を展開している。

 この講演会は、3年前に池田氏が詫間町大浜にある船越八幡神社の「おとぐい神事」を見学したのがきっかけ。誰かが注目していなくても、自分たちで昔から伝わる儀式にのっとり、当たり前のように行われている素朴な神事に感動。「昔からの文化を集落あげて守っている。日本の文化としての自然に対する作法があり、日本の原点がある」と感想を話していた。

 昨年、船越八幡神社のみこさんと有志が、池田氏が作ったエコの町自然を回復するプロジェクトとしてのハウステンボスを見学。そこで池田氏と再会して話を聞き「同じような講話を詫間の人たちにも聞いて欲しい」と船越八幡神社の藤本宮司がお願いして今回の講演会が実現した。

 講演会では、主に文化と文明の違いについて述べた。「文化はご先祖様からずっと伝えられ、これが良いのだと年をとってくるとわかってくる。『一寸の虫にも五分の魂』と木簡に書いてあり、人間も虫も同じ魂を持っている。昆虫は人間のできないような知恵を持つすばらしい生き物だ。さらに、日本文化は自然をおそれ尊び、自然が神であった。それは幼年期に大人から教えられ伝承されてきた。文化はアフリカにはアフリカの文化。日本には日本の文化があり対等だ。相手の文化に敬意を表し、受け入れることが平和につながる」と力説した。

 また、文明については「たとえばアメリカがすばらしい自動車を開発、それを日本に持ってきて機械を分解すればまた作ることができる。文明を発展させる原動力は人間の欲望であり、文明は少しでも進んでいると有利になる。日本も技術開発を進め、戦後自然を食いつぶし、それを経済におきかえて奇跡的な経済大国になった」と強調。さらに「現在日本は平和で、物質的に豊かで便利になった。文明はどんどん進んだけど、本当にいい国になってきたのだろうか? 戦前は公のためにやろうと思っていた。今は自分のためにばかりやっている」と現状を嘆いていた。

 息子が小学3年生の時「お父さんはなんで戦争に行ったの? 戦争は悪いことなのに、何で悪い戦争に行ったの?」と聞かれたそうだ。「私は国のために戦争に行ったのに、ショックでそのことにはずっと口をつぐんでしまった。80歳を過ぎて世の中がおかしいと感じた時、日本人としてこうあるべきとか、命がけで戦争に行ったことなどを、われわれが次の世代に伝承していかなければいけない」と締めくくった。

 その後、池田氏は浪打八幡神社の放生祭を見学し「日本は生きているよ」と感動。「講演会では思い以上によく聞いて下さった。放生祭の七宝古流夫婦獅子舞では、小さいお嬢さんが力強く太鼓を打つ姿に見とれてしまった。古老から幼児までが一体となり、完璧(ぺき)な日本文化の伝統を伝承されて、頼もしくうれしくなった」と奥様と一緒に、にこやかに見入っていた。                                               (前山 由美子)
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