
陸上競技場のスタンドに並べられた遺留品のアルバムなどを捜す被災者=18日、宮城県女川町
東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県女川町で、自衛隊ががれきの下からアルバムや賞状などを回収し、陸上競技場のスタンドに展示している。思い出の品を捜す被災者からは「がれきを自力で動かすのは難しく、ありがたい」と好評だ。
町によると、これまでは自衛隊などが不明者の捜索をする際、見つけたものを道路脇に置いていたが、がれきの撤去が始まり紛失の恐れが出てきたため、17日から回収しまとめて展示を始めた。
スタンドには、町の中心部から回収されたアルバムや写真のパネル、賞状やトロフィーなどが入った約100箱のプラスチックケースが並び、自分のものを見つければ持ち帰ることができる。
隣には約780人が暮らす避難所の体育館や女川町役場が一時的に移転した小学校があり、多くの被災者が捜しに来る。
鈴木茂美さん(53)は、40年以上前に収集していた記念切手をはさんだファイルや家族旅行の記念のオルゴールを見つけた。「家のあった場所に行っても、物が流されていて見つからなかったのでうれしい。次は家族みんなで写真を捜しに来ます」と喜んだ。