岡山県玉野市と高松市を結ぶ宇高航路の廃止を表明したフェリー2社のうち、国道フェリー(高松市)は4日、航路廃止届の取り下げを国土交通省四国運輸局に提出した。当面、減便など自助努力で運航を続けるが、高速道路の新料金発表が見込まれる6月以降、再度存廃について検討するとしている。
同運輸局によると、航路廃止届が撤回されるのは異例。同社は「地域や利用者から強い要望や予想しない反響があったため」としている。
また同社によると、航路継続に伴う合理化策として、現在の3隻22往復体制の減便だけでなく、減船も視野に検討。その場合、雇用を維持できなくなる可能性もあるという。
高松市議会は4日、宇高航路廃止は日常生活に重大な影響を及ぼすとし、国に存続を求める意見書を全会一致で可決した。
国と関係自治体は連絡協議会を設置。2月26日に高松市で初会合を開き、国が航路廃止を前提に、別航路による運航などの素案を示していた。
同運輸局は、会合後、廃止を表明した2社にあらためて存続の意思を確認。もう1社の四国フェリー(高松市)は「より一層の合理化を図り、どこまでできるか検討する」と返答したという。