商店街に設置された防犯カメラ。事件解決の端緒になるだけでなく、犯罪抑止にもつながっている=高松市古馬場町

商店街に設置された防犯カメラ。事件解決の端緒になるだけでなく、犯罪抑止にもつながっている=高松市古馬場町

 今回の時事通信社と四国新聞社の合同世論調査では、県民の7割近くが防犯カメラの増設に好意的な考えを示していたことが分かった。県内では防犯カメラの映像が事件解決につながったケースが年間の検挙件数の1割を超え、「犯罪の解決につながるだけでなく、抑止効果もある」として、設置の動きが官民ともに広がっている。

 ■捜査の基本
 今年8月、坂出市内の駐車場で、男が軽乗用車から現金やバッグを盗む事件が発生。容疑者検挙の端緒になったのが、駐車場内に設置していた防犯カメラの映像だった。

 近年は駐車場以外にも、公園や小学校の通学路、店舗などあらゆる場所に設置されており、防犯カメラが事件解決の決め手になる場合も少なくない。11月1日には、他人のキャッシュカードを使ってコンビニで買い物をした男が詐欺容疑で逮捕された。買い物をする様子をとらえた店内のカメラの映像が重要な証拠となった。

 県警の捜査幹部は「記録は大きな証拠。事件現場周辺の防犯カメラを確認するのは捜査の基本になっている」と話す。

 ■実績が浸透
 県警によると、2016年の刑法犯の検挙件数は2985件。このうち全体の10・7%に当たる319件で、容疑者の特定に防犯カメラの映像などが有力な手段となった。

 中でも窃盗犯は269件の解決に結びついており、犯行現場がずばり録画されているだけでなく、逃走中の車両が映り込んでいたケースもあるという。

 窃盗だけでなく、暴行やひき逃げなどの捜査でもカメラが威力を発揮していることが一般に知られるようになり、県民の多くが「犯罪の抑止や摘発に効果がある」と受け止めるようになったとみられる。

 ■厳格化必要
 防犯カメラは抑止力としても効果を指摘されている。高松市の繁華街、ライオン通商店街では、同商店街振興組合が防犯カメラを約20年前から整備し始め、現在、24台設置。同商店街周辺の高松市古馬場地区では県警もカメラ約20台を設置した。さらに、アーケード内は、深夜でも映像を記録できるように、照明を朝まで消さないようにしている。

 同商店街の松山千恵子理事長は「設備が充実するほど抑止効果は出ている。大きな犯罪だけでなく、小さなトラブルも減った印象がある」と話す。

 一方、防犯カメラの運用などに詳しい首都大学東京の星周一郎教授(刑事法)は、防犯カメラが犯罪の抑止や摘発に高い効果を生んでいると認めつつ、「カメラの高画質化が進んでおり、個人が特定されやすくなっている。増設すれば、それだけプライバシーを侵害されるリスクが高まる」と指摘。リスクを軽減するには「防犯など本来の目的以外に使えないようルールを確立し、映像の管理、利用を厳格化する必要がある」としている。