2017年上半期(1〜6月)に県内で起きた特殊詐欺の被害額は約4900万円で、前年同期より約2100万円減少したことが県警のまとめ(暫定値)で分かった。上半期ベースでは3年連続の減少となったが、依然として被害者の7割が65歳以上の高齢者だった。さらに電子マネーを利用した架空請求詐欺や還付金詐欺が多発しており、県警は「高額被害の抑止が進む一方、犯行グループは1件当たりの金額が小さくても成功率の高い手口に移行している」と警戒を強めている。

 まとめによると、17年上半期の被害額は4924万円(前年同期7067万円)。未遂を含めた認知件数は44件(同47件)。

 被害額の内訳は、おれおれ詐欺が2029万円(同3150万円)、架空請求詐欺が1932万円(同1747万円)、還付金詐欺が936万円(同1658万円)、融資保証金詐欺が26万円(同511万円)。

 認知件数でみると、おれおれ詐欺は前年同期比11件減の9件で、被害額とともに大幅に減少。一方、被害額が唯一増加した架空請求詐欺は同7件増の16件、被害額が減った還付金詐欺も同1件増の18件だった。

 架空請求詐欺では、新たにコンビニエンスストアなどで電子マネーを購入させる「電子マネー型」と呼ばれる手口が横行。上半期だけで8件、計約125万円の被害があり、昨年1年間の3件、計約50万円を既に大幅に上回っている。

 還付金詐欺は、昨年が認知件数、被害額ともに過去最悪で、今年も同様に多発している。無人の現金自動預払機(ATM)に誘い出す手口ばかりで、県警は被害者と接触するリスクのない手口にシフトしているとみている。

 被害者44人の内訳は、男性13人、女性31人。65歳以上の高齢者が31人に上っている。特に70代が17人と世代別で最も多かった。

 今年5月以降、県内では還付金詐欺の被害防止策として、地元金融機関が高齢者を対象にATMからの振り込みを一部制限する対策を相次ぎ導入。コンビニも電子マネーの購入者に対する声掛けを強化している。

 ただ、7月以降、女の声で娘を名乗って現金を要求するおれおれ詐欺の電話が相次ぐなど、新たな手口も出てきている。県警は「特殊詐欺の大半は1本の電話から」として、現在、固定電話に取り付ける撃退装置1千台の体験貸し出しを実施しており、利用を呼び掛けている。