二酸化炭素(CO2)排出権の先物取引への投資をめぐるトラブルが香川県内で増加傾向となり、中には訴訟に発展したケースもあることが分かった。「地球温暖化の影響で排出権が値上がりする」などが業者の誘い文句だが、国の許可なしで販売できるため、詐欺行為を働く悪質業者も多いという。県消費生活センターなどは「もうけ話を安易にうのみにしないで」と注意を呼び掛けている。

 国民生活センターによると、CO2排出権の先物取引はリスクが高く仕組みが複雑とされる。しかし、商品先物取引法や金融商品取引法の規制対象外のため、無許可・無登録業者が扱っても違法ではないという。

 同取引をめぐるトラブルは、2010年12月ごろから急増。同センターに寄せられた相談は11年度は651件、12年度も558件に上る。県内も10年度までゼロだったが、11年度7件、12年度は11月末までに5件の相談があった。多くは高齢者からだった。

 詐欺まがいの手口で損害を受けたとして、出資者が訴訟を起こす例も目立つ。

 香川県内の70代の女性は11年夏、大阪の業者から「値段が上がってもうかる」と勧誘され、昨年6月までに保証金名目で約1400万円を支払った。業者は海外の会社を通じて排出権取引を行ったとしているが、女性側が調べたところ、その会社には取引資格がないことなどが判明。返金や慰謝料などを求めて高松地裁に提訴し現在、係争中だ。

 高松市の男性も「地球温暖化で値段が上がる」と別の大阪の業者に誘われ、昨年5月までに保証金500万円を支払った。業者は「取引で損失が出た」と説明していたが、実際は取引をほとんど行っていなかった。業者は返金に応じる姿勢を見せたものの、返済が滞ったため裁判を起こした。

 県弁護士会消費者問題対策委員会の玉井邦芳委員長は「規制されてないのをいいことに、業者側は法律の隙間をついている。投資経験のないお年寄りを狙って言葉巧みに勧誘してくるので注意してほしい」と警鐘を鳴らしている。