
手話通訳や要約筆記を交えて行った裁判員裁判の模擬裁判=香川県高松市太田上町、香川県聴覚障害者福祉センター
聴覚障害者が裁判員に選ばれた際、どのような配慮が必要かを検討する模擬裁判が6日、香川県高松市太田上町の県聴覚障害者福祉センターであった。ろうあ者や難聴者が、手話通訳、要約筆記を通じて裁判員として摸擬裁判に参加。「言葉が早すぎる」「モニターと通訳を同時に見られない」など課題を指摘する声が次々に上がった。
模擬裁判は、高松地裁と同センターが裁判員裁判時に手話通訳者らの円滑な運用を図ろうと、昨年6月から実施している研修会の一環。同地裁の裁判官や県内の聴覚障害者ら計約60人が参加した。
同地裁の裁判官と難聴者、ろうあ者各1人と健聴者2人の計5人で裁判体を構成。同地裁の職員らが、検察官や弁護士、被告役を担当し、現場での物証が少なく、被告が起訴内容を否認している強盗致傷事件を審理した。
ろうあの男性は被告人質問時に手話で「額のけがは現場でできたのではないか」、難聴の女性は口頭で「友人からの電話は何時ごろにあったのか」などと積極的に質問。被告人の回答や検察、弁護側の説明に、手話や要約筆記を見ながら懸命に考えをまとめていた。評議では、裁判体の5人が全員一致で有罪を決めたが、時間不足のため量刑までは検討できなかった。