
燃え盛る炎を水田にかざしながらあぜ道を歩く親子連れ=香川県土庄町肥土山
田植えが終わる時期とされる「半夏生(はんげしょう)」の2日、香川県土庄町肥土山で稲の害虫を火で追い払い、豊作を願う伝統の「虫送り」が行われた。地元の親子連れら約300人が火手(ほて)とよばれる松明(たいまつ)を手にあぜ道をゆっくりと練り歩き緑豊かな水田地帯に幻想的な光景を描き出した。
虫送りは約300年前から伝わる風習で、かつては香川県小豆島町中山から土庄町肥土山、黒岩へと各地区が火をリレーし害虫を海に追い出していた。1970年に町の無形民俗文化財に指定され、現在は肥土山地区だけで行われている。
午後6時から小豆島霊場46番札所・多聞寺で五穀豊穣を祈願し、虫塚で稲の虫を供養。その後、寺の灯明を近くの肥土山離宮八幡神社に運んだ。夕闇が迫り始めた午後7時ごろ、火手を手にした子どもらが約1・5キロ先の蓬莱橋(ほうらいばし)を目指して神社を出発すると、のどかな田園地帯に1本の長い光の列が浮かび上がり、風情ある初夏の風物詩が繰り広げられた。