川 柳
「新樹」
(7月号)
「堤望」欄は三谷博の「昔の思い出と現況について」。戦中の学徒動員の体験、焼け残った校舎での学習などから説き起こし、就職、川柳とのかかわり、大手術を乗り越えての現況をつづる。
兼題「呼ぶ」(榊原彗方選)の特選句は道明「『はよ来い』と亡夫が呼んでる墓場から」(人)、弘子「山ふところでちちははを呼ぶ風を呼ぶ」(地)、すみれ「呼ばないで葉蔭の虫になり永眠(ねむ)る」(天)。
軸吟(選者吟)は「呼べど呼べど返事がこない七回忌」。
都すみれは追悼「三谷博さんを偲(しの)んで」を書く。(高松市春日町1408の7、都すみれ方)
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「川柳国分寺」
(7月号) 宿題「波」(宮内泉都選)の特選は弘子「ワルツの波に軽い約束してしまう」(人)、冨美枝「荒波に耐えた男の格を見る」(地)、しずお「波蹴( け)って大漁ぶしも久し振り」(天)。
軸吟は「穏やかな師の助言から波が凪( な)ぐ」。
ほかの秀句は功「お大師の奇跡にすがる鈴の旅」、ていほ「さじ加減見てた次男の眼( め)が怒る」、アキ子「ワンマンを貫き父の小さな背」など。(高松市国分寺町新名818の1、末澤功方)(non)
評論・随筆
「鼎(かなえ)」
(第7号) 河村義次郎の「追憶の手帖(ちょう)から」(第7回)は「囲碁の恩人たち」とサブタイトルにあるように、戦時中の疎開先、柳井の祖父の家で囲碁に興味を持ったのを基点に、自己の囲碁歴をつづる。
間借り人の片桐、安藤歯科医、碁会所の武信2段ら、個性的な恩人が戦後世相の中に息づく。
和田浩は評論「菅原道真の讃岐国司時代―讃岐の国司時期の漢詩を中心として―」の中で、讃岐在任時代に詠んだ道真の漢詩を取り上げる。有名な「寒早十首」などを作者の心理、時代背景などを交えながら、1句ごとに和訳する。
讃岐の地で道真は「初めて地方庶民の生活に触れ、その統治者としての責任に目覚め、苦悩する時期であったのである。この時期の経験を通して、彼は真の意味に置いて大人(社会的存在)になった」と指摘。
藤枝好の「ポンタとポポンタの森」は童話作品。タヌキのポンタが柿を取ろうとして転がり落ち、ペンションで暮らす人間のおばあさんと、孫のポポンタに助けられる。タヌキと人間の、相互不信の解消などがテーマ。
冨川光雄の「『卑弥呼の国』その後―卑弥呼=天照大神&崇神天皇―」は力作評論。「日本生態史観」に立脚し、纏向(まきむく)遺跡での新発掘などを踏まえ、「記紀」の天照大神などに、真摯(しん し)に卑弥呼像ウオッチングを試みる。
上田洋一は「映像作品いろいろ寸評―ある映画人の追悼を兼ねて―」と題して映画、ビデオ、アニメなど内外の映像作品を多面的に取り上げ、ユニークな視点で論評する。NHK朝の連続テレビ小説「ウェルかめ」、黒沢明監督作品「椿(つばき)三十郎」、マレーシア映画「細い目」などが対象。(高松市番町3丁目3の8、冨川光雄方)(K)