
50年ぶりに修復された花丸図を単眼鏡で熱心に鑑賞する愛好者=金刀比羅宮奥書院
伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716―1800年)が描いた障壁画「花丸図」と水墨画などを紹介する特別展「百花若冲繚乱(りょうらん)」(金刀比羅宮主催、四国新聞社共催)が19日、香川県琴平町の金刀比羅宮で始まった。普段非公開の奥書院を公開するほか、個人所蔵の水墨画が展覧会初お目見え。初日から大勢の人々が訪れ、“奇想の画家”若冲の世界を堪能していた。
特別展は痛みが目立っていた花丸図の修復が終わったことから、「生まれ変わった若冲」を見てもらおうと同宮が企画した。
花丸図は奥書院上段の間のわずか6畳の壁面に、アジサイやヒマワリなど201点の花々を精巧に描いており、1974年に県の有形文化財に指定。50年前の奥書院修理の際、同宮第10代別当宥存(ゆうそん)の依頼で若冲が明和元(1764)年に描いたものと分かった。
このほか、個人が所蔵する「鷹(たか)に燕(つばめ)図」などの水墨画7点も紹介。うち、「伏見人形図」以外は初めて一般公開されるもので、いずれも若冲の画風をよく示す逸品という。若冲の弟子だったと伝えられる宥存が描いた「鷹図」も並べられ、見比べることができる。
若冲は江戸時代中期に活躍。写実と想像を巧みに融合した画風で知られ、奇想の画家として、近年、国内外で再評価されている。
この日は開展式があり、琴陵容世宮司が「若冲ブームの中、こんぴらさんで彼の世界をじっくり味わってほしい」とあいさつ。同志社大学教授で若冲研究の第一人者である狩野博幸さんの講演会も開かれた。
特別展は6月13日まで。一般千円ほか、中学生以下は無料。問い合わせは同宮社務所〈0877(75)2121〉。