来年にも自転車の歩道通行が実質認められる。増え続ける自転車絡みの事故を受け、約三十年ぶりに道交法が改正されるという。とはいえ自転車王国香川では歩道通行が当たり前。むしろ今までだめだったことに驚く人も多かろう。
無理もない。自転車は車道通行が原則で、例外は一定の幅がある「自転車通行可」の歩道だけ。ところが香川では歩道の九割がこの種の歩道で、全国平均の四割強を大きく上回っている。
仮に通行可の歩道でなくとも、ここまで車社会が進むと車道を走るのは現実的ではない。車のすぐ脇を抜けるのは危なっかしいし、車を運転する側も冷や汗が出る。
しかし法改正で自転車が狭い歩道に乗り入れるようになれば、今度は歩行者が危ない。昨年の自転車対歩行者の事故は十年前の五倍近いのに、法改正でさらに増えかねない。また歩道のない道路だと、何の対策にもつながらない。
解決策としては、もっと歩道を増やすことだ。それも強引に乗り入れる必要のない広い歩道が増えればいい。さらに言えば、車道や歩道と別に自転車専用道路があるのが望ましい。
社会は今まで車を優先させすぎた。交通弱者を置き去りにしてきた。香川も車なしでは生活できない苦しさの中、全国有数の道路整備と引き替えに公共交通を衰退させた。そろそろ車だけのための道路は控えてはどうか。
いつものあいまい決着となった道路特定財源問題だが、道路に使うなら交通弱者のために生かしてほしい。地方では一歩先行く香川だが、もう一歩先に行ってみるのも悪くない。