鉄道のレールと道路を自在に行き来する新しい乗り物が、来春に予定している試験営業運転に向けて走行実験を重ねている。JR北海道が開発したデュアル・モード・ビークル(DMV)で、マイクロバスをベースにした世界初の乗り物になるという。
JR北海道では、二千五百キロの営業区間のうち八百キロで一日平均輸送人員が五百人に満たず、ちょうどマイクロバスで輸送する乗客人数という状態にある。DMVはこうした地方ローカル線を活性化させ、また低コストで輸送する目的で開発された。
道路上はバスと同じように四輪タイヤで制限速度で走行することができる。そのまま線路の端まで進んで、格納していた車体の前後二カ所の鉄車輪をレールに乗せ、後ろのタイヤだけは線路上を走って駆動輪の役割を果たす。切り替えの所要時間は十秒から十五秒だ。
試験営業運転は北海道・網走国定公園東側に位置する釧網線の浜小清水―藻琴間の十一キロで、藻琴駅で路上運転に移り、藻琴湖と濤沸湖を周遊して浜小清水駅に戻る周遊ルート。一両十七人乗り、所要時間は約四十五分で、予約制で運行するという。
現行の鉄道車両に比べると、DMVは購入価格で七分の一、燃費は四分の一、保守費は八分の一と低コストで運行できる。急カーブがない、既存列車のダイヤに余裕があるなど運行条件にはいくつかの制約があるが、全国の自治体などから問い合わせや見学申し込みがあるなど、反響が広がっている。
JRのローカル線、第三セクターや地方の民間鉄道線の代替、赤字バス路線との相互乗り入れなど、DMVの活躍の場は可能性を秘めている。