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国体や自治体イベントで活躍する「ご当地キャラクター」の数々。ほのぼの感と脱力感を漂わせる「ゆる〜い」姿から、「ゆるキャラ」と呼ばれ人気を集めているが、テレビやネットで紹介され全国区となる“勝ち組”がいる一方、いつの間にやら忘れ去られるキャラも少なくない。最近は自治体の懐具合が影響してか、“出生数”も伸び悩む傾向にあるようだ。

生き残りへ二極分化
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| 県のホームページで紹介されているキャラクターの数々。何をPRしているのか、詳細はHPで(クリックで拡大表示) |
「サンポくん、オリピー…何やこれ?」「こんなのおったかな」
県のホームページに登場するキャラクターは、その数二十一体。サイト内で「香川はキャラクター王国」と自慢するのもうなずける、バラエティー豊かな顔ぶれだ。でも、これだけいれば、それぞれどんな名前で何をPRしているのか、県職員でも全部覚えるのは至難の業らしい。
■全国大会も
「ゆるキャラ」に熱い視線が注がれるようになったのは数年前から。大手新聞社がネット上で人気投票を行ったり、民放番組では「日本一決定戦」も開催された。同番組では、サンポート高松のイメージキャラクター「サンポくん」と県内の選挙啓発を担う「一票くん」が香川代表として本選に出場している(ともに第二関門の五十メートル走で惜しくも敗退)。
まるでブームを見越したかのような香川の「王国」ぶりだが、全国イベントや地場産品の振興などのたびに、キャラクターを生み出してきたのには事情がある。
「制作過程そのものが宣伝になるんです」と明かすのは県の広報担当職員。キャラクターのデザインは公募によって決めることが多く、募集から選考・決定、制作者の表彰まで、その都度メディアでの露出が期待できるというわけだ。「それに…」。職員は苦笑して言う。「『PR方法を考えろ』と上司に言われたとき、手っ取り早いのがキャラクターづくりなんですよ。ひと昔前であれば、ミスコンテストでしたけどね」。
■冬の時代へ
とはいえ、「ゆるキャラ」の未来はバラ色とも言い切れない。取り巻く環境はしだいに厳しくなっている。
二日から三日間、サンポート高松などで開催された「ジャパン・フラワーフェスティバルinかがわ」。この手のイベントに付き物の「ゆるキャラ」だが、今回、主催した県などは独自の大会キャラクターをつくらなかった。「予算的に厳しかった」(生産流通課)のが理由だ。
キャラクターの制作費は決して安くない。新しいところでは、二〇〇四年秋の「全国豊かな海づくり大会」で誕生した「はまうみくん」の着ぐるみが六十万円。「良心的な業者を探して発注した」(水産課)ので、そこそこの値段に抑えることができたらしい。公募作品を採用したのでデザイン料も発生しなかったが、これがプロのデザイナーに依頼したり、商標登録を行うケースでは総額で数百万円になることもあるという。
こうした事情もあって、キャラクターを「使い回し」する県が増えている。象徴的なのが国民体育大会の開催県。〇二年の「よさこい高知国体」以降、どの県も大会マスコットをそのまま県のイメージキャラクターとして各種イベントや刷り物などに使い続けている。県広聴広報課も「イベントごとにキャラクターをつくるのはバブル期の発想かも。これからは定着するように有効活用すべきでしょうね」との考えだ。
■八百万の神
むやみやたらと乱立されても困りものだが、看板キャラの“続投”が増えれば、その分、新たなキャラクターが誕生する機会は減ってしまいそうだ。市町合併に伴って旧自治体とともに消えていくキャラも多い。「ゆるキャラ」の世界も二極分化が進むのだろうか。
「ゆるキャラ」の名付け親でイラストレーターのみうらじゅん氏は「地方の小さな町で誕生したキャラほど、『よくぞ無理して着ぐるみに仕立て上げたな』というダイナミックさがあるのに…」と心配する。「目と口さえ付ければ魂が宿るという多神教ならではの文化。まさに八百万(やおよろず)の神だ。将来は民俗学の一ジャンルに発展するかもしれない。そんな視点でもっと地方からアピールしてほしい」。

「すだちくん」は徳島の顔に 国体後、明暗くっきり
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| 「小豆島ふるさと村」で子どもたちに笑顔を振りまくオリーブくん(中央)=小豆島町 |
一九九三年の東四国国体で、二体のキャラクターが華々しくデビューした。われらが香川の「オリーブくん」と共催県徳島の「すだちくん」だ。しかし、あれから約十五年、すだちくんが徳島の看板キャラとして全国的に知られるようになったのに、オリーブくんはすっかり見かけなくなった。
二体の歩んだ道はくっきり明暗が分かれる。
開催期間中からグッズ売り上げが好調だったすだちくん。徳島県が大会後の続投をいち早く決め、「事実上、県の統一キャラクター」(ブランド戦略課)となった。これまでに環境、スポーツ、交通安全などあらゆる分野で活躍。今秋の国民文化祭でもえんび服姿でホストを務める。携帯電話の壁紙配信サービスが始まるほどの人気ぶりだ。
一方、オリーブくんは残念ながら定着しなかった。「姿が人でインパクトに欠けたのだろうか」「すだちと違って県全域の特産でなかった」。敗因は諸説ささやかれる。もう会えないのか。関係機関に問い合わせると、当初の返答は「消息不明」だったが…。
オリーブくんの着ぐるみは屋島陸上競技場の倉庫に保管されていた。管理する県教委によると、「年に一、二回貸し出している」という。昨夏の高松まつりでは、ほかの着ぐるみと一緒に「総おどり」で乱舞する姿が目撃されている。
小豆島町の「小豆島ふるさと村」では強化プラスチック製のオリーブくんを発見。国体閉幕後、旧JR高松駅前にあったものを廃棄寸前で譲り受けたらしい。同じく表舞台から去った九七年国民文化祭のマスコット「オリーム」と並んで、観光客に笑顔を振りまいていた。さらに土庄町の中央公民館では、頭にかぶるタイプのオリーブくん人形と聖火が見つかった。こちらも国体で使用されたものだ。
小豆島町では、二〇〇八年のオリーブ植栽百周年に合わせた記念行事が予定されている。「オリーブの里でオリーブくん復活か」―。記者の期待は高まったが、その矢先、町は記念行事用に新たにつくった別キャラを発表。オリーブくんが再びスポットライトを浴びるまで、道程はなかなか険しそうだ。
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広瀬大、福田有紀が担当しました。 |