シリーズ追跡 合格率3割の四国観光検定
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60代の健闘目立つ

 四国観光検定(四国観光協会連合主催)の合格者が発表された。1209人が受験して「四国観光達人認定証」を手に入れたのはおよそ3人に1人の362人。合格率3割といえばかなりの狭き門。どんな問題が出たのか。正答率100%近いものから10人中3人の割合でしか分からなかった難問もあったという。

難易度

四国観光検定問題抜粋
四国観光検定問題抜粋
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 「合格率は妥当なところ。やさしすぎると受験者に興味を持ってもらえない。逆に難しすぎると受けてもらえなくなる。三割ならリベンジもあるのでは」。県の事務局担当者はホッとした表情を見せる。
  30%の合格率を世代別でみると六十代の38%(七十七人)がトップ、次いで四十代の37%(七十九人)。実人数は五十代の百十五人(合格率36%)が最多だった。
  百八問中、最も正答率が高かったのは高知の四万十川についての問題。「最後の清流といわれる川は」との問いに答えるもので受験者のうち97%が正しく答えた。二番目の正答率87%も高知の問題。地図で位置を示した子どもに人気の施設を選ぶ設問で、四択の一つに「アンパンマンミュージアム」というキーワードともいえる言葉が入っていた。
  三番目となる86%が正しく答えたのはアカウミガメに関する徳島の問題(問題抜粋の33番)。逆に最も正解者が少なかったのは徳島の蜂須賀氏にまつわる問題(同26番)で26%、四人に三人近くは間違えた。
  香川の問題で正答率トップは同43番の81%、最も難問となったのは、意外にも県内ではかなり名の知れた施設に関する同52番で43%。県外の受験者も含めた全体での結果だけに、県内と県外の知名度の差が大きく出たともいえそうだ。
  検定としての評価はどうだろうか。学生約三十人とともに受験した香川大の稲田道彦教授(観光地理学)は「今回、細かな知識を問うものが目立った。他県の問題は住んでいない人にとっては難しかっただろう」と指摘する。
  自身は見事認定証を獲得したが、現在、学生から合格の連絡があったのは一人だけ。「受験すればレポート提出と同じ扱いで奨励したが、若くて土地勘のない学生が多く、普段学んでいる知識そのままでは通用しなかったようだ」と分析。「資格試験の性格が強く出てくるなら、就職を控えた学生が意欲的に受験するようになるかもしれない。一方で趣味的に多くの人に楽しんでもらう方向もあるだろう。どちらに比重を置くか。主催者の意向はもちろん、検定に何を期待するか周囲の考えも影響するだろう」とみている。

 四国観光検定 四国4県の観光協会が共同で昨年12月に実施。全国でも初の広域連携によるご当地検定として注目を集めた。
  問題のほとんどは、事前に発売された公式テキスト(A5判、355ページ)から出された。試験時間80分。各県から22問ずつ、四国全般20問を合わせた5部門計108問に四択方式で答える。計75問以上、かつ5部門すべて50%以上の正答で合格。バランスの取れた知識が求められた。

 

受験体験記=達人への道険し 正解の「快感」も

試験開始の合図を待つ受験生=高松市幸町、香川大
試験開始の合図を待つ受験生=高松市幸町、香川大

 昨年十二月十日、高松市幸町の香川大。キャンパスは緊張感に包まれ、一足早い入試シーズン到来といった雰囲気だ。机を並べる受験者が問題を解き進めていく様子をひしひしと感じ取りながら、ひとりうなっていた。「うー、分からん。難しい…」。
  就職するまで四国外で暮らし、香川での生活は二年目。他県はおろか、香川の知識すらままならない状況で、合格できるはずがないと思いながら、「話の種になれば」と軽い気持ちで申し込んだ。
  当日は取材をしながらの受験。撮影が認められる試験開始直前の十分間で写真を撮ると、一目散に自分の受験教室へ走る。息つく間もないまま、開始の合図。
  「分からない問題は『エ』を選ぶ」と決めて臨んだが、問題冊子をめくるたびに知らない言葉が次から次へと出てきて、あぜんとする。鉛筆がまったく進まない。まるっきり分からない問題は後回しにしたが、後日数えてみると、後回しにしたのは百八問中、なんと八十五問もあった…。
  歯が立たない問題が多い中、仕事が役立ったことも。政府がビジット・ジャパン・キャンペーンで目標に掲げる訪日旅行者数は公式テキストブックには載っていない内容だが、関連取材をした経験から自信を持って正解を選べた。そんな時はニンマリ。一種の快感を覚えた。
  結果は残念ながら不合格だったが、部門別で香川が合格基準に達していたことにホッとした。ほかにも基準を上回った部門があったのは、「迷ったら『エ』作戦」が奏功したのだろう。
  問題文に「へぇー」と思うことは数知れず、四国の豊富な資源を実感した。「観光ボランティアをやりたい」「旅先で友人を案内したい」などという中高年受験者の声を聞くと、年を重ねてなお意欲的な熟年パワーに感服。いつかは四国観光達人の称号を手にしてみたいという思いを胸に、会場を後にした。(報道部・頼富正郎)

 

合格者で最高齢74歳 大谷清志さん(観音寺市) 未知のこと楽しく学ぶ

「四国の情報でおもてなしを」と語る大谷清志さん
「四国の情報でおもてなしを」と語る大谷清志さん

 「いやー、びっくりしました。自己採点で手応えは感じていましたが、まさか私が最高齢の合格とは…」。戸惑いの笑みをみせる。
  元々旅行好き。各地で誕生している観光検定に関心があった。地元の検定ならと挑戦を決意。教科書ともいえる公式テキストブックが昨年六月に発売されるとすぐに入手した。一日も欠かさず一カ月で通読すると各県ごとに紹介されていた内容を自然、歴史、郷土料理など九項目ごとに自分でまとめ直しノートに書き写したという。
  四国検定は初めての実施でどんな問題が出るか分からず、先行する京都検定を例に予想。平成の大合併やお国言葉は出題されず「山が外れた」と苦笑い。「昨日覚えたはずなのにすぐに忘れて焦りを感じたこともあったが、地元でも知らないことが多く、学ぶのは新鮮で楽しい。孫が次回挑戦したいと言い出して…」。思わぬ反響に目を細める。
  認定証を手に「実際に各地を回りたい。学んだことを重ね合わせると違った面白みがあるだろう。私ができたんだから、みなさんもぜひ受験を」。

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 山下和彦、戸城武史が担当しました。

(2007年2月4日四国新聞掲載)

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