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STAP細胞

2014/04/21

小保方さん、米で再実験を

 小保方(おぼかた)晴子さんを、そう、あのSTAP細胞の、どう思いますか。だれしもが、何らかの感想は述べられるだろう。もちろん、科学的な真偽のほどは別にして。洪水のようなメディアの報道に接しても、何がなんだかわからない。英国の権威ある科学雑誌「ネイチャー」に提出、掲載された論文に問題があったことはだれもが否定していない。問題はそこに盗用や改竄(かいざん)などの「悪意」があったかどうか、とSTAP細胞なるものがそもそも存在するのかどうかだ。もちろん、筆者の専門外のことだが、数多くの記者会見の場にいた経験からみて、小保方さんの言っていることに嘘(うそ)があるとは思えないのだが、甘過ぎるだろうか。

 STAP細胞発見の大ニュースに接したとき、ほんとうに嬉(うれ)しかったのを覚えている。4年間、早稲田大学大学院の教授として博士論文の審査にもあたり、かつ同じように米国ハーバード大学で研究者として生活した経験から、身内の慶事のように感じたものだ。2時間半を超える小保方さんの記者会見、それに指導にあたった笹井芳樹理研副センター長の記者会見をテレビで見ていて、不思議でならないことがあった。すなわちSTAP細胞が大ニュースになったのは「ありえないこと」「ほんとうならノーベル賞級の大発見」だったからではなかったのか。それなのに、論文指導にあたった笹井氏は「2カ月間、論文の書き方について指導しただけで、実験ノートもデータも見ていない」と言うのである。ここがわからない。笹井氏自身、ノーベル賞候補といわれるほどの権威である。どうして間違いなく世界的な大発見である、と自分で確認しなかったのだろうか。「その存在を前提にしないかぎり説明のつかない現象がある」と述べ、存在そのものは肯定しているように見えるが、その程度のことで指導したり、共同執筆者として名を連ねたりするのだろうか。

 理化学研究所もこの「発見」を大々的に知らしめようとして最初の記者発表をしたはずだ。それなのに、不正や改竄、あるいは悪意があったとして撤回を求めるというこの変わり身の早さは一体、何か。

 記者会見に臨んだ小保方さんのすべての発言をテレビで見聞きした。初めは、おそらく説明しきれずに泣き崩れて終わるのではないかと想像していた。ところが聞いているうちに、ああ、この部分は嘘だな、とか、完全に逃げているな、と感じる部分があまりないことに気がついた。たとえば、政治資金問題で釈明する政治家の記者会見では、嘘や逃げは表情の変化を見ているだけでわかることが多い。専門的なことはもちろんわからないにしても、STAP細胞はあります、とか200回作製しました、という発言に、思わずうなずいた人たちも少なくないのではないか。

 科学の専門家はおおむね厳しいコメントを出しているが、言葉や表情だけで感じ取る一般の視聴者の印象は、専門家のそれとは大きく違うと思う。だからといって専門家のほうが正しいとは言えないと思う。小保方さんの博士論文でのコピー&ペースト(いわゆるコピペ)問題が取りざたされたり、中学生のときの読書感想文の文章まで一部盗用ではないかと報じられている。こうした報道によって世界的な大発見から奈落の底まで突き落とされてしまったのが、今回の顛末(てんまつ)である。もし、これが事実であったとのちに判明したら、いったいどうなるのか。

 大学で論文審査をしていたとき、もっとも悩まされたのがこのコピペ問題である。出典を明らかにしていれば、問題はないのだが、それがない限りはルール違反になる。社会科学系の論文の場合は、自分の意見ではなく、先達(せんだち)の論文を引用することで論理を展開して行くことになる。出典を明示しないルール違反を見抜くのは大変な作業だ。その部分が真っ赤になってルール違反を発見してくれるソフトもいまではできているが、それでもすべてを見抜くのは難しいだろう。

 ルール違反をしている学生にとがめても、頭を掻(か)くだけでさほど罪の意識はない。それがいまの学生たちの一般的な空気だとしたら、小保方さんのミスもその延長のようなものなのかもしれない。

 いずれ理研は再調査のうえ、処分を発表する。小保方さんは研究者生活を続けるのが難しいかもしれない。小保方さんにはさまざまな研究機関から声がかかっていると伝えられるし、ハーバード大学の恩師も「帰っておいで」と言っている。ハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)などのある米国ケンブリッジ市周辺は、小保方さんのファッションなどにだれも関心を示さない研究者の街だ。小保方さん、ハーバードへ戻ることをお勧めします。緑あふれるキャンパスで実験に取り組めば、いつか正しいことが証明されるように思えます。

(政治ジャーナリスト、四国新聞特別コラムニスト)

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