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師走総選挙

2012/11/19

候補者より政党を選べ

 「正しいのは自分だけ、それ以外の者はすべて間違っている」と我田引水を競い合うのが選挙である。だから、候補者や政党の甘言に惑わされてはならない。「だれがなっても大して変わらない」というのは一面の真理ではあるが、変わらないならまだしも、かえって悪くなるかもしれないので、しっかりと見極めなければならない。政治に過大な期待を抱くのは危険だが、初めから絶望するのも良くない。日本という国をユートピアにすることはできなくとも、生きて行くことすらままならぬ国にするのも政治なのだ。

 政治を観察することを職業としてから、解散は13回目、衆議院総選挙は14回目(任期満了選挙が1回ある)である。そのたびごとに、この選挙があすの日本にとっていかに大事かを書き続けてきたが、掛け値なしにこのたび行われる総選挙は重要だと思う。投票用紙を前にして、さてだれに入れようかと毎回悩むあなたに考えるヒントを、と思う。まず、だれを、と考える前に、どの政党が中心になって政権を作ってほしいかを考える。もしくはこの政党だけは政権に入ってほしくないということでもいい。「どの政党」を考える時には、投票所へ向かう前に、それぞれの政党の政策を一応は目を通しておくことが必要だ。

 選挙公約やマニフェストなどは、ほとんどできもしないことが書いてあると思ったほうがいい。その中から、なるべくウソの少ない政党を選ぶのもひとつの方法だ。その「ウソ」を見分けるのが大事だが、なかなかこれは難しい。しかしながら、2回、3回と選挙を重ねるごとにかなり見分けがつくようになる。

 今回の選挙でいえば、たくさん嘘くさい問題が隠れている。たとえば「原発」。「原発依存からの脱却」とか「原発ゼロ」とか主張する政党や候補者は多いが、どのようにして、とまで言わない。野田政権は「2030年代までに原発ゼロをめざす」としている。30年代の最後の年39年には、計画通り進んでもまだ5、6基稼働しているのである。そればかりではない。いまある50基をすべて廃炉にするのに40年から50年、そこから出る使用済み核燃料棒を地下に埋めたとしても放射線量ゼロになるまでには10万年ぐらいかかるのである。つまり原発に頼ろうが脱却しようが、日本は原発から逃れられないのである。そのことを候補者も政党も言わない。なぜか。選挙の票を失うからである。

 景気対策を講じて、デフレ脱却、円安を実現します、とみな異口同音にいう。いままでなぜできなかったのか。いままでできなかったことが、急にできるなどと思わない方がいい。少なくとも、経済大国の夢を再びなどと考えてはいけない。どの政党がどの候補者が現実を直視しているかを冷静に見抜かなければならない。

 外交・安全保障も同じだ。たとえば、尖閣諸島や竹島などの領土問題と沖縄の普天間基地問題は、いまの日本では密接につながっているのだ。領土問題で毅然とした外交を、と言いながら、普天間基地へのオスプレイ配備反対と主張するのは現実離れしているのだ。中国や韓国に「毅然と」するには日米軍事同盟がしっかりしていなければならない。普天間基地の辺野古移設やオスプレイ反対運動の拡大で米国は日本に不信感を持ち始めている。中国はあきらかにその虚をつき、日中が軍事的に衝突したら、米軍がどう出てくるかを探ろうとしているといわれている。

 政治の世界にはチルチル、ミチルの探したような幸せの「青い鳥」はいない。だれが次の首相になっても、どの政党が大躍進しても、山積する問題がいっぺんに片付き、政治の信頼が回復するなどということはありえないのである。これまでも、何度も青い鳥を追いかけ、手にしたと思ったらただの雀やカラスだった。3年前には「政権交代」という青い鳥を捕まえたと大喜びしたが、あっという間に逃げて行った。今回もたくさんの「新党」という名の青い鳥候補が名乗りをあげている。それが国民のための青い鳥なのか、それとも候補者のための青い鳥なのか、見極めなければならない。

 総選挙後、政界再編は必須といわれている。政界再編は戦いのあとで起こるもので、決して何かの政策を実現するためにだれかが青写真を描いて起こるものではない。どの政党が第1党になって、どういう組み合わせでだれが首相になるのか。有名なビアスの「悪魔の辞典」の「政治」の項にはこうある。「主義主張の争いという美味のもとに正体を隠している利害関係の衝突。私益のために国事を運営すること」。総選挙後誕生する首相が野田首相でなければ、私にとってついに25人目の首相となる。

(政治ジャーナリスト、四国新聞特別コラムニスト)

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