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「三極」混乱

2012/11/05

液状化する政界

 石原慎太郎前東京都知事の新党結成宣言でにわかに活況を呈しているかに見える「三極」論議。民主、自民両党など既成政党に対抗する第3の政治勢力として話題をさらっているが、連携話はなかなかまとまりそうもない。消費税や原発、TPPなど重要な政策で違いがあるだけでなく、主導権争いや、好き嫌いなど人間関係が複雑にからみ、多数の国民の期待に応えるような力強い大きな連合体になるのは容易ではなさそうだ。

  「石原新党」構想を最初にぶち上げたのは亀井静香氏。昨年の11月に発表し、石原氏もことし1月には全面的に賛意を表していた。その亀井氏はいま石原新党について「いまさら、遅すぎる。橋下大阪市長らに持ち上げられてその気になっただけ。かわいそうだ」と全面否定、亀井氏は石原氏とはたもとを分ち、今月中にも民間人らと新たな政治潮流をめざす運動を起こすことを示唆している。

 たしかに石原氏の今回の行動は唐突の印象を免れない。突然、都知事を辞任してまで新党行動に走るにしては、準備不足は否めない。辞任の記者会見前夜に電話をもらった亀井氏は「一人で死ね。おれは抱き合い心中はしない」と言い放ったという。石原氏は平沼赳夫氏らの「立ち上がれ日本」を発展的解消し、それを母体に新党を作ると発表したが、提携相手の日本維新の会の橋下氏は、石原氏の力は借りたいが、立ち上がれ日本とは連携したくない、と言明している。このため、石原氏と平沼氏らの間にも溝ができている。また維新と復縁することになった渡辺喜美氏らのみんなの党は石原新党に距離を置いており、三極の大同団結にはほど遠い。

 注目されるのは12日に東京高裁で控訴審の判決が出る小沢一郎氏率いる新党「国民の生活が第一」の出方である。小沢氏に無罪の判決が出れば、ただちに攻勢に出るといわれており、小沢氏がどの集団と組むのかが注目される。石原氏は小沢氏と組むことは絶対ない、と言明しているが、亀井氏はそのことでも石原氏を批判している。小沢氏も含めた第三極をと考えているのは、亀井氏のほか鈴木宗男氏、大村愛知県知事、また橋下氏も一時期はそうだった。石原氏と組むことを優先すれば小沢氏との連携は遠のくかもしれないが、場合によっては橋下氏が石原氏を説得する場面が出てくるかもしれない。

 第三極から政界再編へと発展させるための全体の構想をまとめ、それを戦略にしてゆく人物がいない。みな勝手にものを言い合っているだけで、まとまる方向には向かっていない。「ミスター政界再編」といわれた亀井氏のような人物がその役目を引き受けるべきなのだろうが、亀井・石原関係が壊れてしまったいまではやれそうな人物は見当たらない。

 第三極の動きが混迷を極めている中で野田首相はまだ粘り腰だ。「近いうち解散」を明言してから、まもなく3カ月になる。「嘘つき首相」とこきおろして、臨時国会での審議拒否も辞さないとしていた野党自民党は、いつの間にか審議に応ずると戦術転換。世論を気にしてのことだが、それならば早く審議に応じて、処理すべきものを片付けて、その上で解散を迫ったほうが得策だったように思う。野田首相の粘りに負けた格好だ。

 これ以上はもう粘るのは無理という意見が首相周辺に出始めている。同じ解散・総選挙をやるにしても、追い込まれてやるよりは、打って出た方が同じ敗北でもいくらか軽減されるのでは、という読みだ。しかし、民主党全体としては一日でも長く与党でいたいと解散時期を先延ばしして、来年に持ち込んでほしいという声が圧倒的だ。

 野田首相が解散を決意しても解散できないことも十分考えられる。党内の多数が解散反対なら、それを押し切るのは困難だ。また野党が内閣不信任案を提出するとなれば、民主党内から同調者が出る可能性もあり、その場合には、野田首相退陣・新首相選出ののち解散総選挙ということも考えられる。野田首相は頑張っていると思うが、民主党は野田首相のまま選挙に臨めば、壊滅的敗北を喫するだろう。選挙前に民主党を離脱する議員が続出し、選挙後には溶けて消えてしまうとみる向きさえある。

 選挙さえあれば政権の座に復帰できると確信しているような自民党だって、楽観はできない。安倍総裁が首相になれば外交や安全保障でタカ派的体質がむき出しになるのではないかと危惧する声が自民党支持者の中にもある。また石原・橋下連合にお株を奪われてしまうかもしれない。どこを見ても何ひとつたしかなものはない。こんな短歌が届いた。

 「近いうち」「近い将来」密談の国語の課題正解あらず 伊澤巨萬夫

(政治ジャーナリスト、四国新聞特別コラムニスト)

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