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「領土」対応

2012/08/20

政府・与野党が協力を

 国と国との関係において領土問題ほど解決の難しいものはない。古今東西、領土をめぐる戦争はたくさんある。しかし、戦争しないと誓った日本は外交で解決するしかない。

  尖閣諸島に上陸した香港の活動家らを逮捕、強制送還したが、同じ事が繰り返されそうな気配である。北方領土、竹島、そして尖閣諸島。どこかでつながっているような動きが続く。穏便に収めたい政府に、弱腰外交との批判が浴びせられる。だが、弱腰でない外交とは何か。ロシアも韓国も中国も、日米同盟の弱体化、内政の混乱という日本の足元を見ているのだ。

  日本はなめられている、と多くの人々が怒っている。どちらかといえば“穏便派”の筆者でさえ、かちんときたのは韓国李明博大統領の発言だ。「国際社会における日本の影響力は以前ほどではない」という発言はまだしも、「天皇謝罪」要求発言は見逃すわけにはいかない。天皇訪韓はむしろ韓国側からの話であり、日本側から持ちかけたことはない。いずれにしろ、今回の大統領の竹島訪問は罪深い。今後、韓国の大統領は必ず竹島へ行かざるを得なくなるだろうし、そのたびに日韓関係は悪化する。天皇陛下が韓国を訪れることは最低100年遠のいた気がする。

  竹島問題で中立的だった中国は、いまや韓国側に立つ。竹島で韓国を支持することで、尖閣諸島問題での連携、それに中韓の間の領土問題(韓国名・離於島)から目をそらせる効果も狙っているだろう。尖閣諸島問題では、中国政府の必要以上に騒ぎを大きくしたくない、という意図も読み取れる。香港の活動家の一部は「反中国共産党」活動をしており、彼らを日本へ向けさせることで、全土に反政府運動が拡大するのを食い止めたいという考えもあるようだ。本土からの資金援助もあると報道されている。

  日本の同盟の相手国米国は、ひたすら沈黙している。いまや日米関係よりも米韓関係のほうが円滑だということもあるのか、本質的なことは何も言わない。日本国内では普天間基地の辺野古移設反対やオスプレイ配備反対、それにアメリカが日本へ持ち込んだ原発反対などのデモがつながって、米国から見れば安保騒動時を思い起こさせるような光景に見えるかもしれない。

  なぜ、日本は毅然(きぜん)としないのか。だれしもそう思うが、ならばどうすればいいのかとなると具体的には出てこない。尖閣諸島上陸の活動家を送還せずに日本で裁判にかける、という指摘もある。日中関係は徹底的に悪化するが、それに耐えるだけの覚悟が果たしてあるのかどうか。逮捕するにも上陸したら陸の上なので沖縄県警、船に乗っている活動家たちは海の上なので海上保安庁と律儀にルール通りすすめる日本と、無法に近い彼らの行動。やっかいなのは、日本政府は「日中間に領土問題は存在しない」という立場なので、領土をめぐっての論争が表立ってはしにくいということだ。竹島問題を日本は国際司法裁判所に提訴する方針だが、それに対して韓国は「日本との間に領土問題はない。独島(竹島)はわが国の領土だから」と日本が中国に対して主張するのと同じことを述べている。

  手元に10年前に発刊され最近、改訂版が出たばかりの「敗戦真相記」(永野護著)が届いた。敗戦1カ月後に爆心地広島で行った演説をおこしたもので、なぜ戦にやぶれたかをこれほど幅広く具体例をあげて指摘したものは他にはない。

  その冒頭に敗戦の最大の理由として「日本の国策の基本理念が間違っていた」と述べている。いまは間違うも何も、国策などというものがない。だから「法に照らして粛々と対処する」以外ないので、相手の出方に合わせて小手先で対応するしかない。永野護はまた、経済人、議会人や文化人など要路にある人々が「無気力だった」と書いている。この戦争はおかしい、まけるかもしれない、と考えた人は当時たくさんいたのに、そういう声が力にならなかった、と指摘しているのだ。これらの敗因のほとんどが、いまもそのまま日本の問題として残っていることを気づかされて愕然(がくぜん)とする。

  自民党など野党側は、国会で野田政権の今回の対応を厳しく追及する構えだ。総選挙への絶好の材料を考えているのだろう。与野党が責任をなすりつけるようなことをしていて得するのはだれなのか、日本の国論が混乱の極みにあることを知って喜ぶのはだれなのか。いまは協力して対応策を考えるべきときなのではないか。政治家の猛省を促す。

  (政治ジャーナリスト、四国新聞特別コラムニスト)

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