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小沢氏

2011/02/06

崩れるか不死鳥神話

 40年を超える政治生活の中で何度も危機を乗り超えてきたのが小沢一郎氏である。不死鳥のごとくよみがえるほとんどの場面を筆者は観察者として見てきた。直面するいまの危機はこれまでのどれよりも重く大きい。ときに弱気な表情を見せる小沢氏は何を考え、どうしようとしているのか。日本の政治もそれによって大きく左右されることは間違いない。

 民主党執行部は小沢問題の対応を誤ったように思える。脱小沢で追い込めば、世論調査で内閣支持率が上昇するという読みがあったからだ。かつての小泉純一郎的手法、すなわち党内の敵と戦う姿勢を示すことによって政権維持につなげるというやり方である。目標を高く掲げては見せるが、実現に遠い。マニフェストの内容も、普天間基地移設問題も、そして小沢問題もみな同じだ。自ら期待値を高め、結果として国民を失望させる。小沢問題の相場を必要以上に高めて、難しくしてしまったのはほかならぬ菅執行部である。「本質的には本人と司法の問題」と切り離しておけば、これほどの大きな政治問題にならなかったのではないか。

 菅首相はこのところ機嫌のいい日が多いという。昨年末までは「なぜこんなことまでオレに決めさせるんだ」と怒鳴りまくる姿が目立ったが、最近は辞める秘書官を飲みに誘ったりしている。その理由を側近たちは「小沢さんの強制起訴で勝負ありと見ているから」と説明する。

 小沢氏は激励に訪れる人々と連日、政局話をしている。いつになく饒舌(じょうぜつ)で「菅は絶対にやめない。だから解散する確率はきわめて高い。3月に予算関連法案で行き詰まったら、4月の統一地方選とのダブル選挙もありうる。準備を怠るな」とゲキを飛ばしている。その半面、自分に言い聞かせるようにこんな言葉を漏らすこともあるらしい。「中国のケ小平は2度失脚し、それでも復活した」。自らケ小平をめざそうというのだろうか、それともそれほどに状況の厳しさを感じているのだろうか。

 民主党執行部は小沢氏の処分を決めかねている。「党員資格停止」が有力だが、処分を決定したあとにいかなることが起こるのか読み切れないでいる。菅首相は「岡田幹事長を中心に検討してもらっている」と逃げ腰だ。自民党竹下派時代以来、岡田克也氏の政治生活は、小沢一郎氏との距離をどうとるかが常に大きな課題であった。小沢自民党幹事長のもとでの初当選、小沢氏らとともに自民党を離党、その後の政治生活も大部分を小沢氏とともにし、「小沢さんは政治の父」とさえ言ったこともあった。岡田代表時代にはなかなか小沢氏の協力を得られず、面会さえかなわないということもあった。

 いま「原理主義者」と呼ばれるほど妥協を嫌う岡田氏は一直線に小沢氏を追いつめる。初めは国会での説明を求めるだけのはずだったのが、いまやいかにして民主党から追い出すかが焦点になってしまった。

 小沢氏が自ら離党することはないだろう。ここまでこじれてしまったいま、国会で説明することにもならない。検察による通常の「起訴」と検察審査会による「強制起訴」はまったく意味が違うと小沢氏側は言う。それはその通りなのである。「有罪」を前提にした検察の起訴と「裁判の場で白黒をつける」という意味合いの強制起訴は同じではない。一方で「起訴は起訴だ」と出処進退を問う声も大きくなるばかりだ。

 この裁判はかなりの時間がかかることが予想される。ことし5月に69歳になる小沢氏は、一審の判決が出る頃には70歳を超えているかもしれない。無罪を勝ち取ったとしても政治家としての活躍の場はなくなっている可能性が高い。そのまま消えて行くのだろうか。

 閉塞(へいそく)感が強まって行く中で、強いリーダーシップを求めて小沢氏の辣腕(らつわん)に期待をかける人はまだかなり多い。ネットの世論調査ではとっくに「小沢首相」が実現していそうな勢いである。筆者のテレビ番組に招いた辻元清美衆院議員は、「小沢さんが好きですか嫌いですか」という質問に「好きです」と間髪を入れず答えた。その度胸の良さにいささか驚いたが「あの人、わかりやすいから」と付け加えた。まるでピカソの絵のように難解な絵にも見えるし、子供の絵のように単純にも見える。

 時代はまだ小沢一郎を求めているのか、それとももう役割を終えたのか。政治的な意味で、この謎に包まれた大物政治家の「生」か「死」かは、日本の針路に大きく影響する。

(政治ジャーナリスト、日本経済新聞客員コラムニスト)

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