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衆参ねじれ

2007/10/16

民主党も「寸前暗黒」

 六年ほど前、「寸前暗黒」と題する政治小説を書いた。(黒河小太郎著、角川書店)この言葉は福沢諭吉の「文明論の概略」に出てくるもので、「一寸先は闇」と同じ意味である。衆議院と参議院がねじれ現象となったいまの状況はまさに寸前暗黒である。これから起こることは初めてのことが多く、文字通り「未知との遭遇」である。福田康夫政権は厳しい局面に立たされているが、民主党にとっても実は正念場なのだ。

 「自民党とどこが違うのか」と問われると、民主党の議員は下を向いたり、もごもごと言い訳する人が多かった。野党ゆえに自民党とはっきりと政策や路線が違わなければならない、と有権者ばかりか、民主党の人たちでさえ、そう思っているようだ。私は民主党の人たちに機会あるごとにこういっている。「優先順位が違うが、大筋ではかなり同じ部分が多い」と堂々と言い放ったらどうか、と。

 金魚鉢の水はときどき取り替えないと水が腐って金魚は死んでしまう。政治もときどき政権を替えないと必ず腐敗する。われわれは基本政策では自民党とそれほど違わないので、政権を担っても混乱はおきません。だから、どうぞ、一度政権を与えてみて下さい、そういうべきだと考えている。先ごろの参院選のあと、自民党が敗因について総括した。外部の人間として意見を求められたとき、私は自分の投票行動について明らかにした。どの政党に投票したかを公表したのは私にとって初めてのことである。

 「選挙区では自民党の現職はかなり親しい人でしたが、民主党の顔も知らない新人に一票入れ、比例区は民主党と書きました」。自民党と民主党(他の野党も含めて)が政権を争い、ともに政権担当のチャンスがある、という状態が日本政治のために重要だと考えている。ときどき政権交代が起こることで、政治の見えない部分が見えるようになる。たがいに緊張し、官僚機構も含めて国民の目をごまかすようなことができなくなる。そう考えての投票行動で、何も民主党を支持しているわけではない。

 参議院で野党が過半数を維持している状態では、国会審議の進ちょくは民主党の胸三寸にかかっている。政府与党提出の法案をことごとく参議院で葬りさってしまえば、間違いなく政治は麻痺(まひ)する。予算案は衆議院が可決すれば参議院の可否のいかんにかかわらず、一カ月後に自然成立するが、何十本もある予算関連法案はそうはいかない。すべて否決することが可能だ。関連法案が成立しないと実際におカネを使うことができない。国家運営も、国民の生活そのものも麻痺する。

 民主党の試金石はインド洋での日本の給油活動継続問題である。国連決議に基づいていない海上活動は認められない、としてテロ特措法の延長に反対しているため、自民党は新たな法案を提出して給油活動を継続させようとしている。「民主党はほんとうに国益を考えているのか。国際社会で孤立するだけだ」と政府・自民党は批判する。

 国際社会が、というよりは米国が給油継続を望んでいることは事実だ。しかしながら、国内政治上の判断でそれが一時的に困難な状況になることまでも国際社会は否定することはできない。説明して、新たな結論が出るまで待ってもらうしかない。あとはいかに与野党で結論を導くかである。

 われわれ日本人は「野党」について扱いになれていない。「政治」という言葉で連想できるのは、ほとんど政府や与党に関連するものだ。民主党がまじめに政策提言を打ち出そうとしても、マスメディアは大きくは取り上げない。一方で与党については内容が霞ケ関のお役人の作ったものであっても「政府・与党」の考えとして報じられる。

 野党、とりわけ民主党でおなじみのニュースは、内部での意見の対立、右から左までの寄せ集め集団、などというもめごとである。この手のニュースは大きく報道されるので、いつの間にか世間では「民主党もばらばらだからなぁ」というイメージが出来上がってしまうのである。これからは何もかもが違ってくる。政策に関するメディアの報じ方も変わって来る。といって、何でも反対ばかりしていたのでは責任政党ではないという批判を受けることになる。その兼ね合いが難しい。理屈からいえば、政権を取るまでと取ってからの路線や政策が違うことはあるだろう。それも程度の問題で、あまりに落差があるようだと政治不信を増長させる。

 「いつ解散・総選挙だと?」とこのごろは必ず聞かれる。三百四議席もある自民党はなるべく先にしたいに違いない。どんなに善戦したところで五十議席ぐらいは減るからだ。解散・総選挙は追い込まれた自民党が、予算関連法案成立など何かと引き換えにした話し合いになるだろう。その結果いかんにかかわらず参院での自民党少数の現状はこの先十年近く続くのだ。

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