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安倍内閣

2007/08/20

改造の後に来るもの

 安倍首相は27日に党役員・内閣改造を断行し、参院選の歴史的大敗から立ち直るきっかけをつかもうとしている。―指導者としての自分に過ちはなかった。年金問題や閣僚の失言という自分以外の要素で選挙に負けた。本来なら、負けるはずがないのだ。もう一度チャンスがあれば、必ず勝てる。―きっと首相はそう思っているだろう。第二次大戦の敗因を検証することなく、いまにいたるまでどうも負けたような気がしない、と考えがちな日本人の国民性だろうか。

 「国民は人心一新を求めている」と安倍首相はいう。ほんとうだろうか。何を根拠にしてそう断言するのかわからない。「小沢さんと私と、どちらが総理にふさわしいかも問われる選挙であります」といったのは安倍首相で、有権者はそれにたいして「安倍さんはノー」と答えを出したのではなかったか。なのにいかなる結果になろうとも続投を決めていた、というのでは、バカにされたと思う国民も少なからずいるだろう。

 国家運営の指導者がもっともしてはならないことは、国民にうろたえる姿を見せてしまうことだ。政権が衰弱し、起死回生の策を模索したくなるときに、きまって新たな問題が発生する。「防衛省次官人事」をめぐる迷走が、この政権の衰弱ぶりと、指導者の資質の欠如を教えている。安倍首相が確固たる信念に基づいて決断すれば済む話である。小池百合子防衛相、塩崎恭久官房長官、守屋武昌防衛次官ら当事者が入れ替わり立ち代わり安倍首相のもとを訪れ直談判。小池防衛相は「西川徹矢官房長(警察庁出身)の昇格」構想について首相も了解しているとさかんに”お墨付き”を強調していた。防衛次官が人事に不満で大臣に反逆、首相に直訴する姿には、シビリアンコントロール(文民統制)の形骸化を懸念したくなる。

 沖縄問題での対立が背景にあるが、小池防衛相にも「守屋天皇」と呼ばれるほどの実力次官を排除することによって、改造人事での留任を確実なものにしようとしたのではないか、とのやや不純な動機も見え隠れする。永田町、霞ヶ関が前代未聞の醜態と大騒ぎしているときに、安倍首相は記者団の質問に「まだ、私のところには上がってきておりません」と答えている。無表情にそう答える首相にこそ、この迷走事件の原因があることを国民は見抜いてしまうのである。

 指導力欠如の批判が広がりはじめたところで、官邸は重い腰をあげ、新次官に増田好平人事教育局長の昇格を決めた。守屋次官の退任と小池構想の撤回で喧嘩(けんか)両成敗の決着となった。これだけの騒動のあと、安倍首相がなおも小池防衛相を留任させるのかどうかが注目される。この政権の特徴は、ほとんどの閣僚が首相に忠誠心を持っているが、だれが側近かを争うばかりで、チームワークにならないことである。作家の堺屋太一さんがおもしろい指摘をしている。安倍内閣の体質的な欠点は「ベルサイユ化」だというのである。(読売新聞17日朝刊)フランスのルイ16世のころ「ベルサイユ宮殿には王様と取り巻きの貴族や官僚が集まり、全国で暮らす庶民のことは全く知らなくなった。自分たちの贅(ぜい)を極めた生活がすべてだと思い込んでしまった」。「安倍内閣は二世、三世議員ばかりで、そのほとんどが地方に住んだ経験のない東京生まれ、東京育ち」「地方都市のシャッター通りや高齢化なんかの話の実感がないんですね。安倍内閣が再生するにはまずベルサイユから出ることです」と述べている。

 毎日一度は官邸で行われる安倍首相と首相番記者の「ぶら下がり」と呼ばれるミニ記者会見。これまで官邸の中の絵の前でカメラ目線で答えていたが、そのスタイルが変わった。カメラではなく、質問する記者の方を見て答えているし、バックも官邸の庭などと工夫されている。しかしながら、もっとも大事なことを首相はまだ行っていない。いかに政権交代が参院選の目的でないとはいえ、あれほどの大敗という結果にもかかわらず、なぜ、続投しようと決意したのかを国民に語る必要がある。

 ここで逃げるわけにはいかない、などという表現で続投への意欲を見せているが、首相のどこが否定されたと受け止めているのかを語っていない。首相自身が自らの問題で参院選敗北という結果につながったわけではない、と考えているにしても、過半数以上の有権者は「ノー」とレッドカードを突きつけたのである。それを「基本的な政策は支持されていると信じている」とか「困難な道ではありますが、安倍首相でよかったと思ってもらえるように頑張りたい」というのでは、高校野球の選手のコメントのほうがはるかに説得力を持つ。

 改造人事を見て、国民が失望したあとに、さて何が起こるのだろうか。

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