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| 県内の市町合併の動き(クリックで拡大します) |
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小豆三町は休止、綾歌東部三町は事実上の解散、三豊は合併の枠組みで離合集散を繰り返している。合併特例法の期限(二〇〇五年三月末)が迫る中、県内の合併協がにわかに浮足立っている。
「町の将来をどういう方向に導くのかというビジョンのない合併協議は利害が衝突するだけだ」。香川大法学部の村上博教授(行政法)の見方は厳しい。「急がば回れ。やはり将来ビジョンづくりから始めないと、議論は一歩も前進しないのではないか」。
◆合併は手段
そもそも今回の合併問題の本質とは何だったのか。県内の合併協議をみると、大事なポイントがかすんでいる。
「それは二十一世紀の『この国のかたち』をどうつくり上げるかだ。国のかたちを形成する『わが町のかたち』が問われているわけだが、そのような認識を持つ合併協は少ない」と村上教授。特例法の期限に間に合わせようと焦るばかりに、本来の目標を見失っているとみる。
現に「このままでは予算が組めない」と財政問題を合併理由に上げる県内の市町は少なくない。財政問題は大きな要因だが、それがすべてではない。確かに国が70%までを肩代わりする合併特例債は魅力的だ。ただ、30%は地方負担であり、公平にばらまくとの発想ならば合併しても何も変わらない。合併はあくまで手段であって目的ではない。
「香川の自治体は比較的豊かで、これまで切羽詰まった状況にはなく、真剣に自前のまちづくりを考えなくてもよかった。この豊かさがかえって調整を難しくしているのだろうか。今回の合併では戦後五十年余の地方自治が問われているのだが…」。村上教授はこう言い添え、県内の合併協議の行方を案じた。
◆政策立案力
明治、昭和、平成と繰り返されてきた市町村合併。「国の失政を地方に押し付けるのか」という非難はどの時代にもつきまとい、大混乱を招いたのも事実だ。
「ただ、これは偶然ではない。なぜ合併が必要だったのか。時代背景をきちんととらえなければならない」。香川大大学院地域マネジメント研究科の三好勝則教授(地域公共政策)はこう指摘する。
昭和の大合併は国土の均衡な発展を目指して、国が考えた政策を確実に実行できる自治体づくりが主眼だった。平成はどうか。三好教授は「社会資本の整備が進んで、国がすべてを考える時代は終わった。地域経営は地域で行う時代。地域の目線で政策立案できる自治体づくりが平成の大合併の目標」と説明する。
とはいえ、税財源の三位一体改革や道州制を含めた今後の分権の在り方など、国も明確な「この国のかたち」を提示しておらず、市町が右往左往するのも無理はない。三好教授は「だからこそ、地方での議論が重要。これからは地方も『国のかたち』を考えなければ。合併が絶対に必要なわけではないが、地方分権への大きな流れを見誤ってはならない」と強調した。
これからの地方自治は、これまでの地方自治とは中身が違う。分権時代を生き抜く地方自治体の規模はどれくらいが適正か。教育、福祉、環境など山積する課題の中で、新市はどんなまちづくりを目指すのか。住民が求める将来ビジョンは残念ながら、どの合併協からも見えてこない。
もちろん合併は「夢」だけでは成就しない。互いを尊重しながら、どのような地域を築いていくのか。「急がば回れ」。いま一度、原点に戻った議論が求められている。
(合併問題取材班)
=おわり=