金刀比羅宮 美の世界

題字・米今正一

第58話

琴平山探鳥会は支部のルーツ

野鳥の楽園、90種を確認

日本野鳥の会香川県支部・大川庫弘

5月16日に行われた琴平山探鳥会
5月16日に行われた琴平山探鳥会

 琴平山……金刀比羅宮の森として保護されてきたカシやクスノキなどの照葉樹林を中心とした森は、県内では残り少なくなった自然林として貴重な存在になっている。この自然豊かな森は、野鳥たちにとっても楽園になっており、鳥獣保護区の特別保護地区にも指定されている。

 ここで毎月第三日曜日に、日本野鳥の会香川県支部の定例探鳥会を実施している。琴平山には石段で有名な表参道とは別に、林の中をゆっくり歩ける裏参道がある。探鳥会はこの裏参道登山口に午前九時三十分に集合し、鳥たちを観察しながら参道を登っている。現在では正午解散となっているが、以前は午後三時までで、お弁当は必携。いまでも弁当持参で、解散後も葵の滝まで足を延ばしたり、おしゃべりと鳥の観察を楽しみながら下山される参加者も多いようだ。

昭和57年7月から平成16年3月までの琴平山探鳥会データ集計
昭和57年7月から平成16年3月までの琴平山探鳥会データ集計
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 県支部は、今年で二十周年を迎えた。発会以来、毎月「かいつぶり」という会報を発行している。この第一号の前に発会準備号が十号作られているが、準備号の第一号に「昭和五十七年七月の新聞に、日本野鳥の会香川県支部設立準備の趣旨で、金刀比羅宮神苑において野鳥を見る会を開催するという記事があり…」との記述がある。まさに琴平山探鳥会が支部のルーツでもあるわけだ。

 なぜ、琴平山が選ばれたのか、理由はよく分からない。私は自然が非常に豊かで、多くの鳥たちの観察が期待できるし、多くの人たちに気軽に集まってもらえる場所だからではないかと推測している。

 私たちの探鳥会では最後の締めくくりに「鳥合わせ」と言って、参加者がその日に見た鳥の数を発表し合っており、その記録が探鳥会の記録として残されている。必ずしも科学的に調査したものではないが、これまでの二十年間の記録は、それなりに貴重な記録だと思う。

ヤマガラ
ヤマガラ
ルリビタキ
ルリビタキ
アオゲラ
アオゲラ

 約二百六十回の記録を集計してみると、ちょうど九十種の鳥たちが観察されていた。確認回数の多い種を挙げると、

  【年間を通して】ヤマガラ、キジバト、メジロ、コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ

  【夏鳥】ツバメ、ヤブサメ、キビタキ、サシバ、オオルリ、ホトトギス、アオバズク

  【冬鳥】シロハラ、アオジ、ツグミ、シメ、ルリビタキ、ジョウビタキ、クロジ

 などが確認されている。

 このほかにアオゲラが通年で、キクイタダキ、アオバトが冬季によく観察されているのが特徴だ。まさに自然のままの森が残っている証拠ではないか、と私は感じている。

 人と自然の付き合いでは、鎮守の森として比較的多くの自然が残されている琴平山だが、ちょっと付き合い方を間違えると自然はすぐに壊れてしまう。ぜひ、いつまでもこの豊かな自然を守っていってほしいと願っている。

(2004年5月23日掲載)

◆日本野鳥の会香川県支部 1984(昭和59)年に設立。毎月第2日曜日に栗林公園探鳥会、第3日曜日に琴平山探鳥会を月例行事として実施している。支部長は中島章。会員数は約(200人。事務所は高松市鍛冶屋町1の3。

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