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瀬戸内物語 北川フラム

瀬戸内フラム塾 地球にも大切な芸術祭

2018/03/01

熱心に講義を聞く塾生。講義後の質疑応答も活発だった=高松市サンポート

熱心に講義を聞く塾生。講義後の質疑応答も活発だった=高松市サンポート

 2月21日、高松市内で2回目の「瀬戸内フラム塾『地域型芸術祭のつくられ方』」が行われました。当初もくろんだ20人をはるかに超えて約70人、そのうちの3割がアジアからの参加者です。

 それぞれが行政、個別の芸術祭関係者など、さすがにはっきりした目的をもって来ている人で、会終了後に中国・台湾・香港からの参加者20人程度が一緒になって、3、4時間ほどの復習勉強会を開いているのには頭が下がります。この塾の講義は全部日本語で行われているので、彼らは通訳も用意して参加しているのです。

 さて「地域型芸術祭のつくられ方」です。この命名に現在の芸術祭を巡る事情が現れていると言ってもいいと思います。

 まず、多くの県・市町・地域が芸術祭を開催しているという事情があります。「金太郎あめのように似ているものが多い」「作品の質が悪いものもある」等々の批判がありますが、芸術祭を一生懸命やった地域の人々、行政の雰囲気が変わるほどの実例が続々でてきましたし、それを見て、新たに準備するところも現れている現状は、美術を通しての地域の魅力の発見から交流・協働を経て、地域の人々が誇りを取り戻すという一連のプロセスが観光という追い風を受けて、地域にとって貴重な試みだけではなく、地球環境と世界の平和にとって大切なものだということが理解されてきた証左だと思わざるを得ません。

 「地域型芸術祭のつくられ方」は、地域がそれを望み始めたことと、その意欲を行政が取り込み組織化するという二方面から考える必要があるからこその命名だったわけです。

 内容についてですが、ここではまず、(1)越後妻有の大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭の主だった作品を通して、その背景、アーティストの選び方、制作・展開・感想のエピソードを話すことから始まりました(2)次に具体的な作品制作の仕方(小平悦子)(3)芸術祭において地域の食材を使ったお母さんが料理する、いわば郷土の家庭料理こそ地域を最も知ることができ、かつお母さんとの直接の関わりができるということで、とても大切であることが示されます(米沢文雄、EAT&ART TARO)(4)次いでパフォーマンスは、芸術祭が「祭」であり、芸術祭以外の長い時間の中で、必要であることが語られ(大垣里花)(5)最後に地域を識(し)っていく、地域に関わっていく具体例と課題が語られるというふうに進められていきました。(甘利彩子、宇野恵信、曽根原千夏、笹川尚子)

 ここで一例として、地域に入っていくこと、地域を識ることの出発として、中央構造線、隆起、断層、汽水域、遺跡、潮流、水深が語られます。ここに中国山地と四国山地に囲まれた気象、植生などの内海の特色が示され、そこから、神話、伝承、歴史、特に海賊・水軍の果たした役割を知ることになります。ここに北前船、あるいは朝鮮通信使が繋がっていきます。

 そして暮らし。近代に移れば、丁場、国立公園、精錬所、ハンセン病患者隔離施設、海砂利の採取、産業廃棄物の不法投棄が直接的な課題として登場してきます。

 瀬戸芸は、そういう背景を受けながら進んできた、進んで来ざるを得なかった地域の具体的な生活を美術のもつ発見する力、協働する拡(ひろ)がり、人を呼び込み、つながる力を生かしながら構成されるハレの日です。3年間約1100日のうちの残り千日をどのようにつなぎ、準備していくかが、報告され、かつこれから議論することになるのです。江戸末期の塾のような真剣な熱気が感じられることでした。

 (アートディレクター)

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