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瀬戸内物語 北川フラム

(70)大島青松園交流会館完成 隔離島から希望の地へ

2016/11/26

カフェ・シヨルで行われたミニコンサート

カフェ・シヨルで行われたミニコンサート

 大島青松園の社会交流会館管理棟の完成記念式典が10月28日にありました。感慨もひとしおです。

 瀬戸内国際芸術祭の話があった2007年から私は瀬戸内の島を巡り、大島では納骨堂、風の舞を拝み、北側や東側の住居棟を見て胸が詰まりました。今から30年と少し前にできた建物とは思えない長屋式の住宅や、寒色の集合住宅がありました。

 長い間の差別、そして偏見の中で生きてきた人たちに、建築家・アーティストはもっと親身になって自分の職能を発揮できないのだろうか? との自責の念にかられました。それは怒りといってよいものです。以来、大島は瀬戸芸のシンボル的なものだと私は考えてきました。やがて人々は去る。亡くなる。その誰も居なくなった島が、今そこで生きている人にとって希望の地であるにはどうしたらよいのかを考えます。

 式には、普段あまり外に出てこられない入所者の方々もいらして、田島征三さんが子どもたちと共に作った館名の門をくぐり、やさしい美術プロジェクトの高橋伸行さんによる入所者の手になる道具の展示室を通り、こえび隊諸姉と建築家の山岸綾さんがボランタリーに一生懸命検討し、設計・施工にいれさせてもらった新たな暖かな「カフェ・シヨル」の中でお菓子を取りながら、田島さんとおおたか静流さん、ASUさんによる美術・音楽会を楽しんだのです。ここにくるまでに10年間が必要でした。

 もちろんそれは入所者の人々の何十年にもわたる艱難(かんなん)辛苦には及びもつかない時間ではありますが、私たちは一生懸命にそれなりに追走、伴走してきました。この日に合わせて作った高松市発行による「大島レター」に私は次のように書きました。

 瀬戸内国際芸術祭が始まる際のこと、入所者の合意を得て大島がその舞台になることが決まった時、入所者の人たちの気持ちを享(う)け、それに伴走しようと思いました。ここでの、隔離され差別された中での記憶とその中でも前向きに生きようとした希望についてです。そこでの作業は、

 (1)記憶・記録を遺(のこ)す作業、外部の人にその実態を知ってもらい、交流する作業=これが社会交流会館の実現と、その中身につながりました。

 (2)より深く、そこに生きた人々の尊厳に迫る作業。=これがGALLARY15、北海道書庫、大島資料室で行われた展示、カフェ・シヨル、ガイドツアー、月1の園内ラジオ放送「大島アワー」です。

 (3)大島青松園に関わり、関わってきた、あるいは心を寄せている人たちのネットワークをつくり、今後やっていくことにつなげる作業=葬儀、盆供養、あおぞら市などのお祭り。

 (4)将来、大島がそれらの記憶の場所となり、世界中の子どもたちが安心して楽しめる、希望の場所になっていくための作業=大島こどもサマーキャンプ。

 大島レターはそれらの活動をお伝えするための連絡帳です。大島の行事、告知などをまとめてお伝えしていきます。

 この原点に立って、次回の芸術祭の準備に、つまりは祭りに向かって歩いて行こうと思ったのです。

(アートディレクター)

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