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瀬戸内物語 北川フラム

(69)瀬戸内アジアフォーラム 現代美術の最前線確認

2016/10/29

オープニング・セッションで講師たちの発表を熱心に聞く参加者ら=高松市サンポート、かがわ国際会議場(Photo:Shintaro Miyawaki)

オープニング・セッションで講師たちの発表を熱心に聞く参加者ら=高松市サンポート、かがわ国際会議場(Photo:Shintaro Miyawaki)

 今月18日、かがわ国際会議場で「瀬戸内アジアフォーラム」オープニング・セッションが開催されました。前回の瀬戸芸から始まった、小豆島・福田集落の福武ハウスでの「アジア・アート・プラットフォーム」を受けて、鳴り物入りで始まったものです。10カ国26団体の参加があり、17日から21日までのフォーラムの期間の前後に瀬戸芸と、越後妻有・大地の芸術祭の見学ツアーが組まれました。瀬戸内国際芸術祭実行委が主催で、文化庁、国際交流基金が助成しています。

 さて内容ですが、いわゆる現代美術はフランスの市民革命以来、印象派やダダ、シュールレアリスム等の運動を組み込みながら、現在はテート・モダン(英国)やMOMA(米国)、ポンピドゥーセンター(フランス)といった大規模美術館が主導し、ベネチア・ビエンナーレやカッセルのドクメンタ等の芸術祭、毎年行われるバーゼル等のアートフェア、サザビーズ等のオークションによって時代の中心軸が決まっていきます。これに対して、瀬戸芸は現代美術には他の選択肢があるのではないか、と問題を投げかけ、姉妹祭である大地の芸術祭と共に、世界のあらゆる場所が現代美術の前線になりうることを示し、21世紀の現代美術界を動かし始めたのでした。

 地球という限られた条件の中で生きる人類は、その地球の回復不可能な環境崩壊に直面し、金融資本主義は倫理性を失い、システムが機能しなくなっています。そんな中で、アーティストがその土地に作品をつくろうとする時の発見性、学習・交流、協働、物語が、都市と地域との格差、農業を始めとする第1次産業の衰退、人間が管理化され角質化する現況に悩む人々、特にアジア各地域の若者、弱者によって支持され、その土地に生きる人たちとともに行う祭りをそれぞれの土地でやりたいという熱意を受けてこのフォーラムは始まったのです。アジアからの来場者が多いことと、とりわけアジアからのサポーターが多いことが私たちの背中を押しました。

 それゆえ、講座の内容は、(1)現代美術の第一線(2)美術を規定する世界の歴史、政治構造、ネットワーク、想像力(3)各地域の実践―を軸に組まれました。

 テートのシニアリサーチキュレーターのスギョン・イさんは、周縁とみなされてきた地域に最も革新的な新しいアートが生まれ、この20年間にアジアを含む非西欧の美術がテートのプログラムで積極的に取り上げられている現況を報告。

 歴史学者・木畑洋一さんが「20世紀とは何か」を述べ、作家・池澤夏樹さんが文学の側から世界の人々が直面する課題を語りました。

 各地の実践では、中国の文化研究者の羅楊さんが、都市と農村の格差が広がり、1日平均200個の集落が消滅している危機的状況の中で、文化を軸に地方創生を図る中国政府の「美しい農村」政策を紹介。内戦とポル・ポト政権による何百万人もの虐殺の歴史を経てきたカンボジアからは、壊滅したクメール美術工芸を再興させ、現在1300人もの職人を養成・雇用するに至ったアルティザン・アンコールのサレス・スヴァイさんが発表。この夏のタイ・ファクトリーにも参画したジム・トンプソン・ファームのパホンチャイ・プレンジャイさんは「アート×農業×観光」の実践を紹介しました。

 総勢20人の講師による講座と、瀬戸内の島々のアートを巡るツアーを組み込んだ4泊5日のプログラムの中で、国や地域、言葉、歴史の異なる人々は互いに学び合い、交流し、友情を育んだのでした。

(アートディレクター)

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