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瀬戸内物語 北川フラム

(68)瀬戸芸秋会期でセミナー 文化こそ政策の根底

2016/09/24

 瀬戸芸の夏会期が終わり、秋の準備にスタッフは一生懸命取り組んでいます。夏の芸術祭のサポーターをやった学生も、大学が始まるまではと、この期間、寮に泊まり込んで頑張っています。目標に向かって一宿一飯を共にしながらの作業は多くの人との出会いから得るものがたくさんあり、志ある学生にとっては本当の学ぶ場になっているようで、この機会をできるだけ生かそうと真剣です。特に海外からのこえびさんは寮に泊まる人がほとんどなので、そこでの交流は大切な意味を持っているようです。

 お客さんについても、目的をもってじっくり回る人が多く、滞在日数が増えているようで、一言で言えば“成熟”してきています。これ以上多くの人が来られるようにするにはインフラの整備、特に宿泊については会期中の絶対量が足りず、先日も秋会期に西の島で泊まろうとしていた人が、宿が取れず仕方なく淡路島にしたという不思議なこともありました。それでも台風がきたら、一挙に予定が狂ってしまうので、パスポート販売担当スタッフは知恵を絞っています。そこで出てきたのが、夏と秋の会期の間(9月5日〜10月7日)にパスポートを2枚買ってくださると瀬戸芸「新刊本」を1冊プレゼントするというもの。この宣伝が今回の話題です。

 この秋会期中、アジア各国・地域から美術・文化による地域づくりを学ぼうと50人ほどが5日間、高松、小豆島に滞在してセミナーを開催します。この講師陣がすごい。文化人類学者の青木保さん、歴史学者の木畑洋一さん、社会学者の吉見俊哉さん、それに作家の池澤夏樹さんら。海外からはロンドンのテートのアジアコレクション責任者のイ・スキョンさん、中国伝統芸術協会前会長の羅楊さん、タイ文化省事務次官でキュレーターのアピナン・ポーサヤーナンさん、フィリピンの美術史家でヴァルガス美術館長のパトリック・フロレスさんらが参画します。

 国内外の一線の方々の参加です。ここで考えていきたいのは、世界で今起こっていることの底流は何なのか、地域固有の文化をどのように生かし、それが地域全体の進むべき方向のベースになること、はたしてフランス市民革命以来進んできた現代美術は唯一の必然であったか、などです。国内で瀬戸芸は地域再生、観光のモデルとなっていますが、海外での評価はより本質的なものがでています。それは文化こそ政策の根底になるべきで、それは地域の生活文化であり、またグローバル世界での現代美術、その混在ではないかという流れです。それはアジア諸国、中国に特に強い。中国・台湾からの視察が多かったのが今回の芸術祭の特色ですが、それだけではなく、ディレクターとして来てくれ、監修をしてくれという依頼は20カ所を超えました。お手伝いしたいが、できるわけはない。それならセミナーをやって学んでもらおうではないか。一堂に集まることによって、その連携や協力が大きな力になるだろう。何よりも瀬戸芸を豊かにしてくれるだろうと考えて始めるものです。10月18日は一般公開も行われるので、ぜひいらしてください。

 このセミナーの動きとともに、瀬戸芸についてのコンセプトや経緯を記している本がないので、作らなくてはならないと思っていました。そこでもともと四国新聞のこの連載をまとめさせていただき、一冊にするという方針を止揚して、新刊本「直島から瀬戸内国際芸術祭へ―美術が地域を変えた」を福武総一郎さんと私とで作ることにしたのです。この1カ月大忙しでしたが、なんとか秋のオープニングに間に合いました。

 これが、冒頭のパスポート購入特典のプレゼントにもなるわけです。この本を読んで島を巡ると、見える景色の深さが違うと思います。手前みそでした。

(アートディレクター)

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