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瀬戸内物語 北川フラム

(64)夏会期近づく アジアの生活文化を発信

2016/05/28

多くの観光客で賑わう「ザ・ジムトンプソン・ハウス」への入り口=タイ、バンコク

多くの観光客で賑わう「ザ・ジムトンプソン・ハウス」への入り口=タイ、バンコク

 5月、連日の暑い日、私たちが長い間、頼りにしていた歳時記、二十四節気とはあわない気候がこうも続くと、北海道がこの列島で一番暑いのが異常だとは思えないこの頃です。そういえば、5月末までに台風が発生しない年なんてあったのかしらん。

 瀬戸芸の実行委員会の総会も終わり、夏会期オープンに向けての動きが始まりました。新作では、豊島の檀山に向かう森林のなかで、フランスのクリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーションが展開されます。親しい人への思いが南部風鈴の鈴の音にのって伝わっていきます。アンリ・サラの映像が硯の海辺の家にゆらめきます。小豆島は大部の砂浜で台湾のリン・シュンロンによる約200体の塑像が設置され、男木島の空き家には韓国のイム・ミヌクの作品、女木島の西浦地区ではタイのナウィン・ラワンチャイクン+ナウィン・プロダクションのプロジェクトが進んでいます。

 タイといえば、先日バンコクに行って、この夏、高松港で行われるアジア村の打ち合わせを文化省の人たち、ジム・トンプソン文化財団の人たちとしてきました。今回は、これまで2回、瀬戸芸アーティストとして参加し、チェンマイの大学で教えている建築家の西堀隆史さんがリーダーになって学生を連れてきてくれます。さまざまな国の人たちの媒介になってくれるでしょう。

 瀬戸芸では、海を媒介とした日本列島のつながり、さらに、南アフリカで生まれたホモ・サピエンスが中近東からインドネシアを経由して南へ(これがアボリジニ)、そして北へと向かい、それが台湾を中心にして日本列島、ハワイへと向かう海の文化をたどり、グローバリゼーションへ向かう現在の世界的方向の弱点を、ささやかながら足元から補完しようと試みています。それが小豆島の福田での福武ハウスの活動であり、前回から始まった高松港でのアジア村の活動です。

 前回はバングラデシュから現代美術と並んで、生活文化を担う多くの職人たちに加え、国を代表する踊り手や歌手が来てくださいました。現代美術はとかく前衛的で、国際性を求めるものと考えられています。しかし、日本を例にとってみても、古くからの生活文化が逆に国際的に評価されることも多いのです。

 特にアジアの国々ではハイ・カルチャーに比べて生活文化の層が厚く、そこに優秀なクラフトマンが関わっていることが多いようです。前回も船づくり、バスペインティングなどユニークな美術を見ることができましたが、今回もムエタイ(武道)やタイ式マッサージ、カービング(菓子などの花彫刻)や踊り、影絵などの参加が期待されています。特にシルク製品では世界的評価が高い、人気ブランド「ジム・トンプソン」が織りを見せるパフォーマンス付きで参加してくれそうです。

 ちなみに、ジム・トンプソンは、シルク製品の他に美術施設でも有名で、タイでも王宮の次に人気がある観光地ですが、そこは現代美術をサポートするだけではなく、アーティストたちと農業活動をするという、地球環境の将来を見据えた考えのもとに動いている組織があり、私たちの参考になるところです。

 美術は生活文化という私たちの日常に深く関わり、生理、体の動きに密接で、それゆえ瀬戸芸の活動は他のアートトリエンナーレ、ビエンナーレと違った形相(けいそう)を持ち、多くの人たちに支持されてきました。この夏にアジア村で行われる13カ国のパフォーマーたちの催しも、アジアの動きを知る上で面白いものになるでしょう。乞うご期待です。

(アートディレクター)

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