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瀬戸内物語 北川フラム

(63)瀬戸芸は夏会期へ アートで得る至福の時間

2016/04/30

高松市あじ竜王山公園 「WatchTower」建築:ジョン・クルメリング

高松市あじ竜王山公園 「WatchTower」建築:ジョン・クルメリング

 瀬戸内国際芸術祭2016春会期、多くの方が来られ楽しまれました。7月18日の夏のオープニングに向けて準備もたけなわ、新作も続々登場します。

 春がすみと白みがかった薄緑の島並みを見ながら、総合プロデューサーの福武總一郎さんと一緒に島を巡りました。今年出来上がった新作を見たり、新たな作品の場所を検討したり、私にとってはとても楽しい時間なのです。教育、生活、国際化の分野で仕事をされてきた先達の考え方から学ぶことは多く、例えば大島や豊島の将来を構想することと島の特徴・個性が浮かび上がってくる作品を選んでいくことが重なり、呼応しあいながら進むという、なんとも豊かな時間だからです。

 また、この間、浜田恵造香川県知事からはアジア全体を見渡したセミナーの構想を伺ったりできましたし、天雲俊夫副知事がボランティアとともに女木島の作品受け付けに入ったり、真鍋武紀前香川県知事(瀬戸内国際芸術祭実行委員会名誉会長)が豊島のレストラン「島キッチン」に入って島のお母さんと一緒に野菜の下ごしらえを手伝ったり、地元企業の社員や県庁職員OBの方々がサポーターに入ったりと、他では見られないオール香川という気分が横溢する雰囲気の中で春会期が進行していったことも報告しておきます。

 夏から始まる栗林公園での「讃岐の晩餐会」の打ち合わせのあとの夕暮れ、会期後にオープンした高松市のあじ竜王山公園に行ってきました。これは庵治町と高松市の合併を記念してつくられたもので、高松市所蔵の石の彫刻が配置され、オランダの人気建築家ジョン・クルメリングが設計した展望台が頂上に竣工された場所だったからです。

 山の彼方に銀白色の幻のような輪郭が見えると思ったら、そこから見下ろす風景のすごさ。養殖のいかだが浮いている志度湾の美しさ。頭を巡らせば足元には白砂青松の大島、そして女木・男木の鮮やかな島の形の奥に、何層も空気遠近法に重なって島影が見える、まさに瀬戸内海展望の理想的なロケーションでした。この構造物は腕時計の形をしていて「Watch Tower」と名付けられている理由がわかろうというものです。英語で見晴塔=Watch Tower、腕時計=Watchをかけていて、日時計にもなっているのです。先ほどの栗林公園、四国村がある一帯と並ぶハイキングの名所になること間違いなしです。置かれている庵治石の石彫も、ほどよく設置されていて気持ちがとても良いのです。ぜひ行ってみてください。今は、山も海もとても美しい。

 そういえば金比羅さまの話も付け加えておかねばなりません。3年前まではいつでも見られた奥書院の若冲の「花丸図」。今や若冲は世界美術史を書き換えるほどの評価で、人気は世界的です。その花や先週東京で公開された宮内庁所蔵の「動植綵絵」の科学的分析等により、若冲は印象派より百年も前に印象派的な、絵の具の点描のような置き方、重ね方、裏ごしに描く方法をもって、顔料と光の関わり方を意識的に研究実践し、それらが類まれなる鮮やかな画面になっていることがわかってきたからです。

 また「鳥獣花木図屏風」や「動植綵絵」から伺えるように、彼の作品の素材である植物・動物にしても、ファン・エイク兄弟が、知り得る全ての植物で埋め尽くそうとした「ゲントの祭壇画」を思わせるものですが、それが所蔵されているという喜びもあるのです。そういえば高松市美術館で17日までやっていた「コレクション展」も楽しいものでした。今日は楽しい気持ちで美術の至福についての話となりました。

(アートディレクター)

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