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瀬戸内物語 北川フラム

(60)いよいよ瀬戸芸 3年は文化の周期

2016/01/30

第1回「撮り船」フォトコンテスト応募作品より(応募者・仲達春菜さん/撮影・1998年)

第1回「撮り船」フォトコンテスト応募作品より(応募者・仲達春菜さん/撮影・1998年)

 いよいよ3月20日から第3回目となる瀬戸内国際芸術祭が開催されます。第2回が終わった後も、2014年、15年とそのまま継続設置されている作品や美術館は開館され、多くの島でパフォーマンスの公演があり、ワークショップが持たれてきましたが、芸術祭となるとまた格別の思いがあります。毎年やってくる盆や正月に似て、多くの人がいらっしゃり、地域や家が何かにぎやかになり、こっちまで少しウキウキ、表情が和み、挨拶(あいさつ)もよくなるような気がします。子どものようですね。

 半年にわたる辛苦の米作りのあとにやってくる村祭りの爆発に似て、サポーターであるこえび隊の諸兄にとって、潜伏2年の末に花開く200を超える作品の開花、お芝居、ダンス、音楽の饗宴(きょうえん)です。この3年に1度というのが実は意味深く、それが励みになって、いろいろな整備が行われていくのです。集落の運営や、行政の施策にもメリハリが効いてきます。3年に1度というのは、特にこれだけの広範囲で行われる祭りにとっては、丁度(ちょうど)よい間隔のような気がします。逆にまたこの3年というのは一つの文化的活動の周期なのではないかと思うのです。

 そのことについて、この間、なるほどと思うことがありました。あるデパートが、この瀬戸内国際芸術祭に連動してプロモーションを行いたいというのです。端午の節句やお歳暮といった歳時記によって百貨店のセールスが行われていますが、こういった月日の巡りに並行して、時代の潮流に合わせた活動も行おうというのです。なるほどなあ! それにもうひとつ、都市が地域の活動に連動するという画期的な方向は、瀬戸芸に来られる都会人が、意識的にしろ無意識的にしろ地域を求めているという証左でもあるでしょう。来る3月、東京のデパートのショーウインドーが瀬戸芸のアーティストによってディスプレーされるというのは愉快ではありませんか。

 また先日、宇野港「連絡船の町」プロジェクトのフォトコンテストの写真を拝見する機会がありました。世界中の港や船、歓迎と別れの光景が応募されました。とても面白い。わが宇高連絡船の古い写真にもいろいろありました。船の中での豪華な弁当の団欒(だんらん)もあるし、船上の綱引きもありました。そしてそれらは皆、人間の動き、喜怒哀楽です。ところが、人が写っていない夜の写真を見ていて、オヤと思うことがありました。瀬戸内海では物資も動いていたのに、それらはほとんど題材になっていないことでした。

 瀬戸内は物資の大輸送路で、古くは北前船に代表される米や海産物、それから石炭などのエネルギー輸送、そして工業製品の大量の運搬でした。武田尚子さんの「『海の道』の三〇〇年」(河出ブックス 2011年)は「近現代日本の縮図・瀬戸内」とキャッチにあるように漁撈(ぎょろう)民の網、西海捕鯨から始まってマニラ湾での日本漁業と移民、南氷湾捕鯨についての記録と船が生み出す産業の時間と、それによって分解していく漁民層について記述してある好著ですが、そこで書かれている私たちが普段目にしない海の道の姿を、この写真たちを見て思い出さずにはおれませんでした。連絡船プロジェクトの写真をここに掲載しますが、海に関する思考も、また瀬戸芸の底流にあるのです。

(アートディレクター)

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